2025/11/29  18:00 K-Arena Yokohama

ピアノ:角野隼斗

 

■J.S.バッハ:平均律クラーヴィア曲集第1巻第1番 ハ長調 BWV846 「前奏曲とフーガ」

■J.S.バッハ:パルティータ 第2番 ハ短調 BWV826

■ケージ:プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュードより ソナタ第1番

■角野隼斗:Human Universe

■ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調「月光」

 

■カプースチン:8つの演奏会用練習曲 作品40より

■ケージ:プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュードより ソナタ第5番

■ペルト:アリーナに

■ラヴェル:水の戯れ

■角野隼斗:ポストリュード「雨だれ」

■ケージ:プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュードより ソナタ第12番

■サン=サーンス(角野隼斗 編曲):死の舞踏

<アンコ-ル>

■角野隼斗:NocturneⅡ After Dawn

■角野隼斗:7つのレベルのきらきら星変奏曲

 

楽しかった!

クラシックのピアノリサイタルで、この感想が一言目に出てくることはあまりないと思うのだけど、とにかく楽しかった。

 

数日前に、「角野隼斗 ピアノリサイタル "Klassik Arena"」注意事項のご案内  なるメールが届き、入場や公演中の注意などと共に、当日会場内外で行われるグッズ販売やスポンサー各社のブース(Nespresso試飲とか)、会場内でのかてぃんピアノ等の展示などの案内がされていた。

ここからして普通のリサイタルとは違う。イベントやライブという言葉の方がしっくり来そう。

このメールを読んで、今日1日はクラシックファンと言うよりは100%角野隼斗ファンとなって楽しむべきであろうと思った。

 

16:30開場・18:00開始のところ、17:00前に到着したが、ものすごい人である。

 

早速、会場の外の様子をパシャパシャ写真に撮りつつ、グッズ販売ブースへ行ってみた。

100%角野隼斗ファンとしては当然グッズの1つや2つ、買うべきであろう。

タオル’はんかてぃん’とクリアファイルを購入し、気分は更に盛り上がる。

しかし、私の隣で買っていた人は10種類以上あるグッズをコンプリートしていた。この熱量には負けた。

 

会場内に入ると、すごいフラワースタンドの数である。協賛各社以外にも楽曲を提供しているフィギュアスケーターの鍵山優真選手や、トリビュートアルバムに参加しているRADWIMPSやジブリからのものもあった。

かてぃんピアノ(角野さんが色々と細工をしているアップライトピアノ)等の展示とフォトスポットはあまりに大行列で、遠目に眺めるだけにした。

 

会場はレベル(階数)1~7まであるのだが、嬉しいことにレベル1のアリーナ席が当たっていた。

恐らく舞台に近い方から1/3には入っていたと思うが、それでも登場した角野さんとピアノは大変小さく見える。

ピアノはグランドピアノ2台で片方は細工を施したプリペアドである。

ピアノだけでなく、真鍋大度さん演出の、角野さんの演奏に合わせて変化する映像や照明も合わせて楽しむ趣向である。

ラヴェルの「水の戯れ」やポストリュードなどは特に美しい映像と音楽の調和が新鮮だった。

肝心のピアノももちろん素敵だった。

私は角野さんのショパンモチーフのオリジナル曲とかも相当好きなので、はじめてリサイタルで聴くことができて嬉しかったし、サン=サーンスの「死の舞踏」は元々大好きな曲なのだが、この角野さん編曲は数ある編曲の中でも一番好きと言っても良いくらい好きである。

時々入るプリペアドピアノの音が良いスパイスになっている。私が角野さんの演奏の好きなところの1つはこういうダークな曲でも角野さんが弾くとダークな中にも光が見える感じがするところなのだ。

ただ、これはどうしようもないのだが、やはりあの規模の会場だとPAを通すことになり、ああ生音聴きたいと思ってしまう。

でも今日求めるところはそこではない。

と思っていたところ、アンコールのAfter Dawnは角野さんが「生音で届けたい」と、ここだけPAを切って弾いてくれた。

20,000人が息をひそめて耳を澄ませる様子は壮観だった。広大な会場に微かに響くピアノの音はとても美しかった。

(最後のきらきら星は撮影OK)

 

そして何と最後に「屋内のソロピアノリサイタルで販売されたチケットの最多枚数」を達成したとして、ギネス世界記録に認定され、その場で認定証が渡されるというサプライズ企画が!

観客も一緒の写真撮影も行われ、角野さんが言う通り「忘れられない夜」となった。

 

先日、どこかのインタビューで角野さんが「今あるパイを奪い合うのではなく、自分は新しいパイ(マーケット)を開拓したい。」と仰っていたが、まさにその言葉を現実のものとされている。

 

最近、あまりに目覚ましい活躍と注目度もあってか、「クラシックピアニストとしての角野隼斗」に対してマイナスなコメントもSNSでちらほら見ることもある。

私にはプロのピアニストを評価することはできないが、今日のあの場にいるとそんなことはどうでも良くなる(ちなみに、私は角野さんのクラシック、素晴らしいと思うし、大好きである)。

今日、会場にいた20,000人は角野さんの演奏を楽しみ、「ピアノって良いな」「音楽って良いな」「また聴きたいな」と思った人が大半だと思う。まさに’音’を’楽しむ’ということではないかなと思った。