5月12日更新分・旅人(二)【石頭FBノート】 | 手上のコイン Blog

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( ・∇・)ほんとに(二)がありました。っていうかまだ続きそう?ちゃんと結末つくのかしら?わくわく。

五月天の石頭がFBのノートに書いてる日記を、ちょこちょこ翻訳しております。おかしいところがあれば、ご指摘下されば幸いですm(_ _)m


いちの翻訳はこちらです。右矢印旅人(一)


石頭FBノート 旅人(二)'170512



旅人(二)5月12日更新

彼を驚き目覚めさせたのは、昨夜大地を飲み込もうとした暴雨ではなく、まるで現実であるかのような夢のせいだった。
突然、無数の爆竹が同時に破裂したように、つぶてのような大小の雨粒が木の葉やぬかるんだ地面を打った。
逃げ遅れた生き物たちはそれを全身に浴び、彼らが安全だと思いこみ一時的に避難した場所で、狼狽し震えて縮こまった。

そもそも絶対に安全な場所などない。にわか雨は土石流となり、山の上から襲い来た。続けざまの破裂音をどうどうという音が轟いてかき消し、一瞬にして多くの生命を奪い去った。

もし旅人が、彼が目覚める前にこういった無慈悲な出来事が起きていた事を知ったのなら、どうして自分は土石流に埋もれた林道ではなく、この巨大な石の上で眠ってしまったのかと憤ったに違いない。
天地が崩れ落ちたその時、旅人は夢の中にいた。彼は離れて久しい思い出の城の夢を見た。けれど夢の始まりは過去ではなく、彼が離れることを選んだ時の裂け目から続く、全く新たな世界、彼がそこを離れることもなく、このように傷ついてもいない人生だった。
夢の中の彼は平穏な生活をおくっていて、まだ誰にもその話を言い出していなかった。彼が恐れているのはただ自分が口を開くことで、その夢の中の世界では、彼が口にした言葉は虚空に消えてしまうようだった。

その世界には何も特別なものはない。それを形容する言葉ですら平凡で、人を惹きつける言葉は見つからない。
目映いとか、輝いているとか、情熱的、などの肯定的な言葉はこの世界とは無縁だ。
安穏としているとか、無味乾燥であるとか、薄暗いという極端な形容ですら、その特色にはなり得ない。
どう表現すべきだろうか?
それは忘れられた、惜しまれることのない世界だった。
けれど、すべてを終わらせることでしか記憶から消し去ることができないほどに、それでも彼にとっては重要だったのだ。

彼にはその夢のように生きる勇気がなかった。何故なら、たとえこういう夢を頻繁に見て苦しむのだとしても、それでも彼はその幻や夢より、地獄のような生活の方がましだと思うからだ。

こんなふうにできるのは、気にかけていたり、結びつきがあったり、帰属感があるからだ。だが彼はそこを家だと思ったことがなかった、あるいは、彼が傷ついたその時から、その言葉は消えてしまったのだ。
彼の辞書からその文字は消えてしまった。まるであの土石流のように全ては奪い去られ、最後に彼だけが残された。

夢の中には、彼がいて、あなたがいて、自分もいて、傍観するものも参加するものもいた。
すべての運行は永遠に終わることのない砂時計のようだった。時間というのは流れ去ってゆくが永遠だ。
彼はその世界のあるがままに従い、これが夢だとは気づかなかった。
けれど、一瞬にして彼は目覚めた。全身ずぶ濡れで震えながら息を切らし、両目を見開いて目覚めてしまった原因を考えた。
だがいつもと同じように彼には、何が彼をこの壊れてしまった現実に呼び戻したのか、永遠に思い出すことができなかった。
ただわかるのは、夢の中で彼は突然欲望にかられたことだった。それは彼の良心を飲み込もうとするような欲望であった。




香港場始まったら、きっとしょっちゅう更新するんだろうなぁと思ってましたけど、予想通りです(笑)
まぁ、私の国語力(と國語力)では追いつくわけがないのて、ゆっくり読んでいきます。