ハイバイ特殊公演
『七つのおいのり』
2011年6月20日(月)~26日(日)
アトリエヘリコプター
■作・演出・出演
岩井秀人
金子岳憲
永井若葉
坂口辰平
上田遙
平原テツ
吉田亮
初ハイバイにして特殊公演……(笑)
まいっか、とパルコ劇場の後にハシゴしたわけですが。(凄い組み合わせだよな…笑)この日山手線と埼京線も大幅に遅れてまして。
前説に出てきた岩井さんが、開演が押したのを詫びて一言。「全ては山手線のせいです」
うん。その通り(笑)
なんともいえない緩さで、笑いを交え(本人は淡々と語ってます)注意事項を『具体的』に述べ(笑)客席の出来事にに芝居が「負けます」と断言。そりゃ、協力するしかないわ…(笑)気がつくと完全に客席は岩井さんのペースでした。
独特のチープさを全く利用することもなく、それでいてそれで何も壊れるものがない。小劇場の不思議ですね…。
驚くほど作り込まれた、これ、小劇場?って作品もけっこうあるにはありますが。
小劇場でしか成立しえない世界の良さというものもあって。たぶんこの劇団はその最たるものなんだろうな~と。
最たるっていうか、ある意味そこに特化しているというか。
個人的にそういうのは大好きです。
タイトルの通り、芝居は七つの話のオムニバス。
それぞれ劇団員が話を持ち寄って、全くバラバラの話を、全くバラバラに纏めあげた(をぃ)しかし不思議に統一感のあるオムニバスでありました。
以下ざっとあらすじ。…とか。
①『あなたのために』作・演出:永井若葉
おせんべいの販売員の女性が『おばちゃん』と呼ばれてショックを受ける。その原因をたまたま席を外していた販売員に全て転嫁するチーフ役の岩井さんの女上司っぷりも可笑しかった…(笑)
②『あ、どうも』作・演出:金子岳憲
楽屋に来た男が誰だったかわからずに、適当に誤魔化すうちに深みにはまっていく役者たち。
で…、結局本当は何の人だったんだっけ←をーい
みんなが揃っていいかげんなことを言っているあたりが……けっこう役者ってみんな、その場しのぎなのか?(笑)という。
③『ヒマをつぶす』作・演出:吉田亮
暇つぶし。一体何のヒマを潰しているんだかはわからないが、ひたすら3人でひまをつぶす。
エアー将棋まではまだしも。エアー将棋崩して……(笑)
④『姉の結婚』作・演出:平原テツ
どうやら平原さんの実家の実話らしい。
お姉さんの結婚相手と初めて会った時に、いかにして平原さんが相手にキレたのかという話。
しかし、キレてもしょぼいあたりがなんとも可笑しいが、それを上回って平原さんの母親役の岩井さんの超マイぺースぶりと、客席に向かって語りかけている平原さんを芝居に引っ張り戻すタイミングが絶妙でした。
⑤『たのしい新生活』作・演出:上田遙
とある不動産会社に新居を探しにきた、役者どうしのバカップルの話。
一般的には舞台俳優の実態とか全くわからないいよな~。ま、人それぞれでしょうけども。
ギャラはなくて、代わりにチケットノルマがありますとか、ノルマ越えたらキャッシュバックが一枚につき300円とか、逆に、レミゼの舞台などの仕込みの仕事で年収480万とか。具体的すぎますけど…(笑)
じゃあとりあえず大工さんということで、と収めようとする不動産屋に、役者だと言って曲げない(笑)
いや、笑ってるけど実状か?
というあたりに若干の悲哀は感じつつ。
⑥『父の怒り、火の如く』作・演出:坂口辰平
AV女優の父親たちを集めた、グループカウンセリングでの一幕。
それぞれ心情は複雑ながら、最初は傷を舐め合っていたはずが、自分の娘の方がましだと誰もが思いたがって、主張しはいめると止まらない。
まあ、励ましのお手紙は届かないと思うけどね(笑)
⑦『金子の誕生日』作・演出:岩井秀人
岩井さんと仲の良い金子さんに誕生日のサプライズをしかけて、思惑は見事に外されたが成功した話と、岩井さんの誕生日に金子さんが仕掛けたサプライズが案の定グダグダだった話(笑)
いや~自分役を演じつつ、居酒屋かなんかで隣の人に語りかけるような口調で客席に解説し続ける岩井さん。
芝居なんだけど、芝居ではない感じ。
もう、解説なんですよ、本当に(笑)そのクールな視点とツッコミがたまらなく可笑しい。凄いです。
サプライズやりやすいところで全く何も起こらないところに「この日いちばんびっくりしました」の一言に爆笑。
こういう事を事細かに覚えていて、面白く観客に提示できるって、結構できそうで出来ないとこですね。
ともかく、まあ、面白かったし、特殊じゃない公演も観たいので、次回公演もちゃんとチェックしておかなければ。
って、七つ分感想書いてたらなかなか記事が仕上がらなかったよ(笑)
ここはね~。
好きな人は絶対、たまらなく好きな劇団だろうと思います。まあ、とりあえず誰か仲間に引っ張りこみたいな~(笑)←をぃ