【観劇記録】台風でシャンプーを | 手上のコイン Blog

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劇団レトロノート
『台風でシャンプーを』


2010年9月10日(金)~26日(日)Homu's Blog-suannpu
cafe&bar @quos 【アクオス】


脚本 小林佐千絵
演出 中村公平


■Cast
 
<劇団レトロノート>
前澤航也 碓井将仁 福田修司 中村公平

<ゲスト
岡戸三樹 生井歩 松山友紀[(株)アンカー] 吉村京太


■Story


さらば!我が母校!
閉校式の日
それはあのタイムカプセルを開ける日

新聞屋さんのバイクが聞こえて
豆腐屋さんはもう店じまい
朝日と夕日と
晴れの日雨の日
幾度もまわって
やって来たあの日の僕

さらば!あの日の僕!


「閉校式にタイムカプセルをあけませんか?」
母親が実家に届いたハガキを僕のアパートに送り直してきた。
そこには母の字で「久しぶりに顔だしたら?」と書き加えられていた。
最後の?に面倒臭さを覚えつつ、僕はその日、田舎に帰る準備を始めた。
あるものをなきものにするために。
あるいは。
終わらせて始めるために。

劇団レトロノートがアクオスでお贈りする
ブラックが飲めない大人達の喜劇!!



以前にもplay unit ココカラ。の公演で訪れたことのあるbar @quos
個人的に、遊び心と趣味的な雰囲気を詰め込んだこの空間が結構お気に入りで、
いつか普通にbarに飲みに行ってみようかな~なんて思いつつ、いく機会もなかなか無く…。
そんなこんなしているうちに、レトロで公演をやると知りました(笑)


ええ。もうこの空間でまた芝居が観られるというだけでけっこうルンルンでしたよ。はい。

なんてことはとりあえず置いておいて。


前回公演から観始めたレトロノートですが。
ここの公演が自分の趣味に会うということを再確認。前回は時間の都合上、一回しか観られなかったし…。
ということで、思わず一回目を観てから、次の週のステージをそぉっと申し込んだら、返信のメールに「再度のお申込、誠にありがとうございます!」
と書かれていた…。


ばれてる………。(笑)

観劇後、後味の悪いものよりは、肩の力が抜けてほっこりとするような芝居が好きです。
それも、押し付けるような感じよりは。
ふんわりと柔らかな感触のものが。
こういうものって、男性の脚本では少ない(皆無ではありませんが)気がします。


中村公平さんのちょっと雑なところのある(笑)でも、純粋さを持った役とか。

碓井さんの、ポロッと『言って欲しいひとこと』を云う、密かなモテ男ぶりとか(笑)

前澤さんのいつもクールに俯瞰で世の中を眺めているくせに、実は自分のことに夢中になるとモノローグ喋っちゃう、頭の中ダダモレなキャラとか。

やはり女性の脚本だけあって、男性キャラとかも女性から見ていいところを押さえているし。
そういうところも好きだな。

それに。カンパニーの雰囲気も、
何となくお客さんも含めて『内』であるように感じる。
例え接客が良くても、アウェイに感じてしまうようなところって結構あるんですけど。
そういう引っ掛かりを感じないので、その空間・時間の居心地がとても良くて。心地よく観劇できるのもここの不思議なところ。


それにしても。
『閉校式』『タイムカプセル』
そして、
『台風でシャンプー』
なんて魅力的なキーワード達だろう(笑)なんて最初は思ったけれど。
芝居の中ではもっとさりげない言葉が力を持っていた。
『ともだち』『仲間』『同級生』
それってなんだか久しぶりだとくすぐったい。
懐かしい。
ほろ苦い。


そして、
『変わったもの』
『変われなかったもの』たち。


でも、この作品は何よりも
『変わらないでいてくれたもの』
の物語だった。


レトロノート。


次回作も絶対行くだろうな、これは(笑)