【観劇記録】南十字星駅で | 手上のコイン Blog

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演劇集団キャラメルボックス25thⅠハーフタイムシアター・ダブルフューチャー
クロノスジョウンターの伝説
『南十字星駅で』


サンシャイン劇場3月12日(金)~4月4日(日)


■Cast


西川浩幸
坂口理恵
岡内美喜子
畑中智行
三浦剛
左東広之
渡邊安理
多田直人
原田樹里

■Story


元エンジニア・野方耕市(のがたこういち)は、79歳。ある日、熊本の科幻博物館から、収蔵品の修理を依頼される。それは、43年前に自分が開発した、クロノス・ジョウンターだった。
修理するうち、野方の脳裏に青年時代の記憶が蘇る。大学4年の夏、野方は親友を失った。名前は萩塚敏也(はぎづかとしや)。萩塚は屋久島で沢登りしている最中、鉄砲水に流されて亡くなったのだ。
萩塚に屋久島行きを勧めたのは、野方だった……。
萩塚と最後に会った日に、もう一度行こう。
野方はクロノス・ジョウンターに乗り込み、57年前の過去へと飛ぶ。




ま、本来は二本立てなんですが。
ミス・ダンデライオンの方は再演で。初演に観て内容は知っているので、一足先に新作の方だけ観てまいりました。

原作はまだ未読。とりあえず公演が終わるまでは読むつもりなし。
原作ものって、小説の方を知っていると、いろいろ引っかかっちゃうので。

キャラメルボックスで『クロノス・ジョウンターの伝説』という、梶尾真治のSF連作短編集を舞台化するのは、『クロノス』『あしたあなたあいたい』『ミス・ダンデライオン』それに今作で4本目。
もう一つクロノスジョウンターの伝説の姉妹作である、『きみがいた時間ぼくのいく時間』も含めると5作目にあたる。
ということで、当然というかなんというか。
それらの作品を見ていた方がもちろん楽しめます。が、一応見ていなくてもわかるように工夫はしてありました。…最初に映像でいちおうダイジェストをね…。
……おいおい映像かよと、舞台の劇場で映像見るの嫌いな私はちょっと思ったけれど。
まあ、くどくどと解説するわけにもいかないし。仕方ないか。


原作は『野方耕市の軌跡』という短編。(私はこの章だけ封印してますが)
これは、この作品に共通して描かれるタイムマシン”クロノス・ジョウンター”を創ったエンジニアの物語。
そう。最終章まで、タイムマシンを作った当の本人は乗っていないんです。
理由は、このシリーズを見た人ならばわかるはず。

というか。
明らかにミス・ダンデライオンよりも、クロノスを見てから見るべきストーリーなんだよな。これ。
ま、クロノスは二時間ものの芝居なので、どう考えても二本立てには出来ないけど。

とりあえず。
私自身は全部観ているので、そのあたりは全く問題なしに楽しみました。


ストーリーそのものは好きです。
ただ、今回はやたらと説明セリフが煩い……。まあ、キャラメルの芝居自体そもそもが説明セリフ多いし。
特に一時間という時間の中で全ての。
そう。今回は特に、野方自身のことだけでなく、吹原の(クロノスの)話まで解説しないといけなかったので、多少は致し方ないかなと思う。
というか、それを考えてあわせるとまだ少ない説明で纏めてる気がするんだけど。
ナレーションで説明しないで、芝居で説明して欲しかったなーと思う、惜しい部分がチラホラ。


うーん。
お話そのものはミス・ダンデライオンよりも好きなんだけどなー。
特に、南十字星駅で、というタイトルの意味が。個人的にはツボ。
まあ、ミス・ダンの方が原作からしてハーフタイムシアター向きのお話だから。芝居そのものとしてはよく纏まってると思いますが。



若干惜しいなーという印象ながら。まぁ面白かった。
クロノスシリーズを見てきた人ならば、やっぱり集大成ですからね。これは観なくては。