【観劇記録】ここから、 | 手上のコイン Blog

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Pley unit ココカラ。first presents.
『ここから、』


のらくら閑劇記-kokokara


脚本 中村靖子
演出 中村靖子+ココカラ。


2010年2月5日(金)~21日(日)
bar.「@quos」/上野毛


■Cast


鵜飼真帆
中村公平
中村靖子
吉村京太


杉浦功兼
松崎映子
堀田勝(映像出演)


■Story


幼馴染みか、腐れ縁か。
いつもと変わらない顔ぶれで、
いつもと変わらないばか話
こんな日がずっと続くと思っていた。
いつから孤独を感じるようになったんだろう。
本当は1人じゃないのに…。



今年2本目の観劇。
他にもいろいろ迷った末に選んだはずなのに、これを観たせいで弾みがついちゃって、見送るつもりだった芝居まで観に行ってしまった…。それぐらい、『当たり』でした。


全体的にとても優しい芝居。
会場になっているBar.も物凄くいい雰囲気で、入り口から中を覗き込んだ時点で顔が綻んでしまった。
芝居が行われる空間と客席の隔たりが無いというのも、いい効果を生んでいると思う。
(あ。もちろん客席は決まってますよ。笑)


お店をそのまま生かした、女性のマスターと、その幼馴染達が集うBar.という設定。
仲の良かった幼馴染たちが、大人になっていく過程で少しずつ、少しずつ、狂ってしまっていた歯車。
ちょっとした喧嘩やわだかまりは解けても、みんなの心の中には痛みが横たわっている。

二年前に出て行ってしまったみんなの兄貴分だった幼馴染。
いつ帰ってくるともしれない人。


どこで、食い違ってしまったんだろう。
どうして、いなくなってしまったんだろう。


それぞれの想いを抱えて。それぞれの現実を抱えて。

近いからこそ、見えなくなることがある。近いからこそ、云えなくなることもある。
大切な人たちを大切にできないこともある。

壊れてしまったものは、元には戻らない。

でも、確かめられたらきっと、そこから始められる。


ここから始められる。




優しさに満ちていて、心地よい観後感の残るお芝居でした。
人間が好きでないと、書けない脚本だろうなと思う。


劇中に映像を使うお芝居って、面白い部分もありながら、「生の芝居観にきてるのに映像見てもな~」
とか思うこともあるんですけど。
このお芝居での使い方は好きでした。
あそこまでちゃんと必然性があれば、別にそんなこと思わないのね。
なるほど。



これは、本当にオススメ。
まだまだ公演期間はあるんですが。
狭い会場なのでチケットどれくらいあるのかな~(^^;
もう一回くらい行きたい…。いや、財布事情でむりか(笑)

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