返還映画コレクション(2)でアラカンの右門捕物帖 拾萬兩秘聞
2024.8.4(日)
去年の12月に 国立映画アーカイブ で開催された 返還映画コレクション(1)-第1次・劇映画編 では 成吉思汗 を観に行った。戦前・戦中期の映画を米軍が上演禁止して収集、戦後1967年以降に返還されたものの中でもモンゴルロケの珍品だった。
その第2弾が 返還映画コレクション(2)第1次/第2次・劇映画編 で、この写真は1928年の 高山彦九郎 のようだ。
で、観に行ったのは1939年の 右門捕物帖 拾萬兩秘聞、アラカン、嵐寛寿郎 の当たり役としては何と言っても戦前戦後に渡って様々な映画会社で39本も撮られた鞍馬天狗が有名だが、むっつり右門の右門捕物帖も36本でいい勝負なのだ。
でも、戦前、まだ三十代のアラカンを観たのは初めてかもしれない。何せ古い映画だから知ってる役者は他には一人だけ、これも三十代だった 志村喬 で、右門のライバルと言うよりは引き立て役のちょい抜けてる同心、あばただらけの敬四郎だから あば敬 という少々情けない役だった。
でもまあ、時代考証とかリアリティは念頭に無い? 老中の知恵伊豆と軽輩の町方同心がツーツーだったり、江戸前期にしては芝居などの文化が爛熟した感じだったり、コソ泥みたいな4人組がどうやって十万両を分捕って運べたのか etc. etc.でツッコミどころ満載。まあ昔のチャンバラ映画は面白ければ良かったのだ。
この1本は1943年の成吉思汗より古いのに、フィルム、音声の傷みは殊の外少なくて良かった。