引っ張っても仕方ないので、
あっさり、書こう。
そう思っておりました。
そう、宣言もいたしました。
けれど、あぁ、
僕ってヤツは、書いてしまうのです。
まだ、東京にも着きません、
オフ会の記録です。
もう、仕方ないから考えないでいいよ、と放置気味のボタン
まあ、急ぐ旅でもないですし、のんびりと更新しますよ、日記
ホテルは、
秋葉原の安宿を見つけてもらい、予約した。
なぜ秋葉原か、というと、
東京の中で唯一、僕が地図無しで歩ける街だから。
もしも酔いすぎても、この街なら戻ってこれる。
この街の中なら、宿に辿り着く自信がある。
いまではすっかり「アキバ」になったこの街も、
僕が若い頃は、「電気街」と呼ばれていた。
高校に受かって、初めて一人で来た東京。
PC-9801DAを、本体だけでも担いで帰った。
青春18キップで、いつも来たのはこの街。
上野で降りて、山手線で、秋葉原。
あの頃の倍以上の年齢になったけれども、
僕の行動の中心は、いつもこの街だ。
◇
明日はいよいよ、東京に行ける。
久しぶりに、電気街をぶらつくか。
そう思った週末、書類が届いた。
来週、半ばに仕上げる予定だった書類。
中には「月曜日仕上げでよろしく」のメモ。
急ぎになった、と書いてあった。
やらねば、ならない。
明日が飲み会だろうが、悪酔いしそうだろうが、
今日、たとえ寝なくとも、終えておかなければ。
明日のために、と思いながら、
明日は大丈夫か、と不安に思いながら。
まあ、行きの車中で、寝れるだろう。
そんな慰めを、自分にかけながら。
ふと目を上げると、とっくに午前様。
でもまあ、とにかく仕上がった。
倒れ込むように、布団にもぐりこむ。
◇
遅く寝た日の翌朝は、早く起きる。
なぜなら、忙しいから寝ないで仕事するわけで、
そんな翌日は、フル稼働に決まっているからだ。
午後には、出たい。
その思いだけで、役所が開く前から、出かける。
出す、ハンコをもらう、送る。
こんな朝は、仕事の電話がなぜか多い。
ご多分にもれず、この日も電話が鳴った。
そんななか、僕を和ませる電話もかかってきた。
「オレです、五郎です。昨日から東京なんだけど。」
「KEN!さん、何時に着くの?早かったら合流で・・・」
・・・なごまない時もある。
俺は、まだ仕事だよ!
とりあえず僕は、オフ会までの時間にお茶する
「銀座のカフェ」の場所をメールで伝えた。
早めに着いてるなら、合流しませんか、と。
「了解。ただ、参加できるかどうかわからないな。」
◇
その後は、記憶が飛ぶ。
事務所に戻り、着替えをバッグに入れる。
仕事着の、シャツだけ着替える。
新幹線に飛び乗る。
あとは、寝てしまったようだ。
気が付くと、山手線で秋葉原駅に着いて、
もちろん、迷うことなく、ホテルを見つけ、
チェックイン。
はやる気持ちを抑えながら、
あとは、0次会場に向かうだけだ。
時計に目をやると、午後4時。
5時の集合には十分間に合う時間だ。
朝の仕事量を思えば、奇跡のような進行。
なんとか、仕事での迷惑もかけず、しかも、
集合時間にも間に合ったようだ。
これから会場に向かうその瞬間。
携帯に着信があった。
「まだ着かないの?もう、店の前にいるよ。」
行けるかどうかわからない、と言っていた彼。
もう、すでにいるらしい。
彼らしい。
「あー、有楽町線でくるといいよ。」
「8番出口から、すぐだから。」
持つべきものは、地理を知る友人だ。
僕は、すぐに有楽町線を探した。
◇
東京メトロ
その看板を見つけて、僕は地下にもぐる。
券売機を見つけ、銀座を探す。
そして、ふと気付く。
これ、「日比谷線」って書いてあるね。
困った僕は、地上に出る。
「有楽町線」を探して、また地下にもぐる。
「日比谷線」と書いてある。
愕然とする。
そして、僕なりの結論を出した。
僕に使えるのは、山手線だけだ。
田舎者の自覚があるなら、JR。
「日比谷線」の看板に、軽くガンをつけ、
地上にあがる。
馴染みのある、「JR」の文字。
秋葉原駅の前の、献血コーナー。
目の端に入る、AKB CAFE の文字。
いつもの券売機で、有楽町駅まで。
慣れた改札を通り、山手線に乗る。
あとは、8番出口からすぐだ。
・・・東京メトロ有楽町線、の・・・。
え!?
◇
時間のロスが許されないので、
とりあえず山手線の緑の車両に、
乗る。
どうしよう。
駅まで行けても、そこから、どうしよう。
幸い、カフェの住所は、メールに書いてある。
問題は、僕が住所だけでたどり着けるかどうか、
それも、かなり低い確率に違いない。
どうする。
そしてまた、着信。
「こんにちは。K原です。」
「いま、駅なんですけど、KEN!さんどこですか?」
なんてこった。
もうこれは、救いの女神だよ。
彼女についていくしかない。
それは、
カフェの選択と予約を丸投げした女性からの一報。
あくまで、連絡のための電話だったけど、
僕はもう縋るしかない、という思いで
「あぁ、じゃあカフェまでご一緒しましょうか。」
そんなダンディーな言葉を口にしながら、
迷子センターの子供が、ようやく親に会えたような
なんとも言えない安堵感に浸っていた。
「えぇ、僕ももうすぐ駅に着きますし。」
「ちょうど時間ですし、会場に向かいましょう」
◇
駅に降り立ち、
この大都会で行き先の見えない不安の中、
出逢えた女性は、とても可愛らしい人だった。
そういえば、
去年も、右も左もわからない銀座を、
美しい女性に案内してもらったような・・・。
一瞬だけ、そんなことを思い出した。
去年のあの日、イルミネーションが輝き、
試験に合格し、開業して初めて、
道場で学び合った仲間たちと会った日。
偶像だったネットの中の友人たちが、
突然、生身の体で目の前に現れた不思議。
そして、
中でも最も会いたかった人に、会えなかった、
その日。
ようやく、会場に向かって歩き出しながら、
受験時代と、合格したばかりの昨年と、
そして、忙しくなってきた今年の、
いろいろな思いが心を通り過ぎて行った。
一度だけ、会いたかったなぁ。
一言だけ、お礼が言えてたらなぁ。
ほんの少し、そんなことを思ってしまった。
そしていよいよ、みんなに会う時間が
近付いてきていたんだ。
(クリックして第3話へ)
じゃ、また (*´∇`)ノ
え、まだ会場に着かないんですか、と白い目で見る ボタン
我ながらビックリです。これぞ「日記」です。なんじゃこりゃw