平均律において、半音より細かく分けられた音程を表す。
微分音程。
半音を半分に割った「四分音」、半音を3つに割った「六分音」、四分音を半分に割った「八分音」、長二度を3つに割った「三分音」などがあり、日本語の表記では漢数字が用いられる。
三分音で1オクターブを割ると、半音が現れない。
また、長三度と短三度の間の四分音と基音との関係を中三度と呼び、この2つはイスラム文化圏や隣接する地域での民族音楽の調律に見られる。
東洋音楽ではペルシアやインドの音律だけでなく、日本を含めた多くの民族の音楽で実用されてきた音程だが、特に平均律の確立以来、半音を識別しうる最小の音程としてきた近世西洋音楽においては、特殊な音程とされる。
西洋音楽史においても古代ギリシアの音楽理論では四分音が存在し、また三分音についての記述も見られる。
また非西欧的起源をもつグレゴリオ聖歌においても装飾的に四分音が用いられた記録があるが、18世紀以降は十二平均律の採用と楽器の機巧の画一化のために、微分音は主として弦楽器などにおける演奏習慣の上のみ生かされてきた。
作曲家の側からのこの音程へのアプローチは、調性体系の緩んだ19世紀末から始まり、1895年、メキシコ人カリジョ(Julian Carrillo)は四分音の弦楽四重奏曲を作曲した。
その後もアイヴズ(Charles Ives、米)、ブゾーニ(Ferruccio Busoni、伊)、ハーバ(Alois Haba、伊)などが20世紀前半に微分音を用いた作品を書き、第二次世界大戦以後、こんにちでは多くの作曲家によって使用されている。
微分音の表記方法
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微分音というものをそれとしてはっきり認識したのは大学のときだったような…。
声楽の先生がその時稽古していたオペラ(確かロシアもの)に四分音がある、みたいな話を聞いて、そんなものが使われているのか―とびっくりした。
半音で割りきれない音程、というものの存在はもちろん認識していたのだけど、西洋音楽のなかで、つまり五線で表す方法があることはその時まで知らなかった。
♭が逆になってるのとか、最初は間違いかと思ったもんなあ。
林光も微分音を使った曲を作っているし、音の世界は12では割り切れないのだから、当たり前と言えば当たり前なのだけど。
音楽もまだまだ未知の世界なのです。