メンバーは藝を披露する。われわれ観衆はその藝を観たり聴いたりする。彼女らが藝を披露するのはわれわれが「現場」と呼ぶ公的な場です。
ライブ会場の楽屋口は空間的にも時間的にも公的な場と呼ぶにはギリギリの境。だから僕はこの場所、このタイミングでの出待ち入り待ちに関しては一応は許容する立場を取りますが、何と言ってもギリギリセーフなわけですから、あまり堂々とやるものじゃない。もしやるのなら恥じらいを胸に、彼女ら本人はもちろん、周りに迷惑がかからないようにひっそりと振る舞うべき、大声あげたり殺到したりなんてのは下の下です。彼女らにすれば「公」⇔「私」が切り替わるゾーンなわけだから、われわれに「公」の場と同じように振舞われて心楽しかろうはずがない。こんなこと、メンバーの立場に思いを馳せれば容易に察しがつきますよね。
いっぽう、先日の新潟公演のときでしたか、新幹線の駅のホームで出待ち、というか帰京するメンバーを待ち構えていた一団がいたそうですが、これは完全にアウト、論外です。ストーキングと言われても反論できない。だって、駅はもはや「現場」じゃないでしょ。メンバーはもう時間的・空間的に「私的」な場にいるわけですから。メンバーの通う学校に押しかけるのとかと質的に同じ行為です。
こういうことしちゃう人たちって、結局は彼女らを生身の人間じゃなくて一種の記号、アイコンとしか捉えてないんでしょうね。記号だからそこに人格はない。モノと同じ。だからあくまで自分の個人的欲望に任せてアプローチする。相手の感情や立場はお構いなし。見世物に群がる野次馬です。
少なくとも自分にとって、彼女らは単なる記号じゃない。せっかく彼女らとお近づきになれたのに、そういう破廉恥な行為をしでかした暁には、言ってみれば今までの苦労が水泡に帰すわけですよ。そこそこ現場通ってる人ならこの感覚わかりますよね。
とにかく、あんまり見苦しくガッツくとメンバーに嫌われますよ。向こうに自分のことを振り返ってもらいたければ、そうした野次馬行為に及ぶのは逆効果、もっと心を込めてやるべきことが他にたくさんあるはずです。あ、じゃあどうすればいいのか、なんて聞かないでね。そういうことを考えあぐねて苦労するのもドルヲタの楽しみの一つ、この苦労が楽しく思えない人はアイドル追っかけるのやめた方がいい。
再三言うようですが、アイドルを推すのは遊び、道楽です。道楽はエレガントが命ですよ。