アール・コールマン、スムースで深いバリトンが心地いい。このダイヤル録音のあとしばらく潜伏期間を置いて、50年代にプレスティジからリーダー作を出してます。「ビバップ・バラッド」なんていうカテゴリーがあったんですね(笑)。昔のレコードは参考になります。
ヴォーカルはラバーレッグズ・ウィリアムズ。ものの本によると、もとタップダンサーでのちにブルーズ・シンガーに転じたとのこと。B面は何かキメてるに違いない歌声、と思って調べたら、パーカーの「ドラッグ」入りコーヒーを飲んでラリってたんですって。なるほど。「電気録音」とわざわざ謳っているのが時代を感じさせます。カテゴリーは「スイング・クラシックス」。当時(40年代)すでにスイングが様式化してたんですね。コンチネンタル・レーベルと言えば、初期LP時代のエネスコの弾くバッハの無伴奏ヴァイオリン3枚組、演奏云々よりもその価格(2000~3000kが相場)で有名なレコードが思い出されます。あ、このSP盤はそんなにしませんでしたよ。タダ同然でした。ヒビも入ってるし。
ヒビ、と言えば、サラ・ヴォーンのこれ(B面は歌なしのSHAW ’NUFF)、割れたのを瞬間接着剤と製本テープで修復。なんとか聴けるようにしました。若い頃の彼女は神がかってます。LPやCDでもこの録音は聴けるんですが、オリジナルSPには及ぶべくもない。スピーカーからエステルが立ち昇ってくるかのよう。割れた箇所からクリック音が盛大に鳴ろうとも手放せません。
調子に乗ってサラ・ヴォーン4連発。特にLENOX盤のMean to Me、イントロのパーカーのリフ、稲妻がピカっと光る印象、続けてサラの伸びやかな声、堪りません。でも思えば以上の8曲(重複があるので実際は7曲)、このMean to Meの出だしを除けば、パーカーはいつものエグいソロは披露せず、あくまでも歌手と曲の引き立て役にまわっている。あのパーカーがですよ。もちろんディジーもマックス・ローチもフリップ・フィリップスも然り、歌伴ってそういうものなんです。これらを聴くとよくわかります。
何で今日、歌伴のことを考えたかと言うと、この発表があったから↓
エビ中とバンドの相性がいいのは、去年のこの同じ催しと年末のエビキュリ、それに五五七二三二〇で証明済みだと思いますが、五五七二三二〇はひとまず措いて、去年のGFとエビキュリを「生バンド歌伴のライブ」という点だけに絞って比較しますと、今から思えば前者は面白さに欠けたというしかない。これ、一体なんでだろうとしばらく考えてたんですが、今日TwitterのTL眺めててピンと来ました。それで上に挙げたレコード聴いてたってわけです。
GFのあのバンドは歌伴する気がないのか、自分たちが好き勝手に演奏して自分たちが楽しんでる、そんな感じなんですね。僕はよく存じ上げない方たちですが、聞けばみなさん斯界ではそれぞれ有名な方ばかりとか。でもそんなの関係ない。チャーリー・パーカーだって歌伴は空気読んで歌伴なりに演奏してるわけですから。反面、エビキュリのバンドは、これも失礼ながら各演者の方々はよく存じ上げませんが、あくまでエビ中の歌を立てる演奏をなさっていた。その様子が多少なりとも捉えられている先日発売された横アリBD付録のCD、ぜひ耳を傾けて聴いてもらいたい。あそこには歌と伴奏の幸せな融合が実現されています。
もちろんこれは個人の感想ですよ。でも、大体あのGFってイベントは、会場にプレゼントBOXも用意してなかったし、どうもドルヲタ・フレンドリーでない催しでした。坊主憎けりゃで、ライブ会場の居心地の悪さがそのまま演奏へのマイナス評価に響いているのかも知れませんが、少なくともバンドの自己主張が過ぎるというのは強く印象に残ってます。こっちはエビ中観に行ってんだからね。バンド聴きたきゃ他に行きたい現場山ほどあるからそっちへ行きますよ。
というわけで、今年のGF、セトリ的に去年のような継子イジメはないでしょうけど、また同じバンドの「歌伴」だというので行く気が失せてます。








