
僕は2日目の金曜日のマチネ(2杯目)に行きました。観劇経験も少なく、けっして演劇的人間でない僕でも十分楽しめました、と言うより、素晴らしく面白かった。改めてエビ中の、彼女らの優秀さに打ちのめされました(ホメ言葉だからね)。
エビ中の舞台としては一昨年のリトル歌劇団いらい。あの芝居はミュージカル仕立てで、いつもの歌割りをシャッフルして持ち歌を歌う場面は見ごたえ聴きごたえがありましたが、地の芝居はというとまだまだ批評の対象とまでは行かなかった。今回も実際に見る前は過去の公演しか比較参照する対象がなかったので、正直なところ不安と期待が入り混じった心境でした。「ロボサン」も確かに面白い試みでしたが、あれはああいうフォーマットでしたからね、エビ中を知らない一般人に受けるかというと、百パーセントそうとは言い切れない。
でも今回のマキアートは違った。純粋に芝居として面白かった。脚本・演出の土屋亮一さん、ロボサンと同じ人ですが、プロフェッショナルでしたね。間違いの喜劇、というのはシェイクスピアとかダ・ポンテの例を引くまでもなく芝居の常道ですが、非常に洗練された構成、乱暴(笑)なセリフの連続にもかかわらず、センスのある上品な笑いの取り方に感心しました。
脚本や演出をめぐる演劇論は僕の得意とするところではないのでこれ以上書きません。その代わり、各メンバーについて一言ずつ。
りかちゃん…もう立派に劇団員の演技でした。声優の仕事が活きましたね。一人だけ制服キャラじゃなかったのは、本人は寂しかったんじゃないかな?(笑)
彩ちゃん…素に近いキャラクター、っていうのもあるけど、ロボサンと比べて格段の進歩。オペラでいう「ズボン役」がやっぱりよく似合う。次の客演も期待できます(チケットないんだけどね泣)。
ぁぃぁぃ…小声のセリフでもしっかり声が通っていたのはさすが。天稟が日に日に開花していますね。映画も楽しみです。
RN3…すでに映画女優だからね、芝居の大きさが光りました。いつもとは別人。素晴らしいコメディエンヌぶり、たしかに狂気を孕んでましたね。
おもち…一番セリフが多いような気がしたけど、表情がくっきりと出た達者な演技には驚きました。良い子と悪い子の演じ分け、どちらもキュートだったなあ。
ぽーちゃん…この子はもう根っからの役者ですね。今回は狂言回しとして中心的な役割を立派に勤め上げました。近日公開の例の映画も早く観てみたい。
りこちゃん…これからもこういう毒を含んだ役で行くのかな? 見事なヒールぶりでした。さそり座の中学生だもんね。末恐ろしい…(笑)
そして、みれいちゃん。
彩ちゃんと同じように、かなり素に近い役割でしたね。それだけに却ってやりにくかったんじゃないかな。ここ一番ではいつも緊張しがちだけど、今回はゆったりした演技で、全体をしっかり支えてたように思いました。芝居の舞台でも彼女の一挙手一投足の美しさは光ってましたね。今度はもっと意地悪な役とか、素でないみれいちゃんを観てみたい。

芝居の最後の劇中劇、みれいちゃん扮する(吸血鬼に襲われる)美女の棒読みのセリフ(もちろんそういう役ですからね……でも、あの場面は僕としては堪らなくよかった笑)に、今回の芝居の肝を見た気がしました。出発点はホントにあんな感じだったのに、ずいぶん遠くまで来たなあという思いを禁じ得なかった、演技もそうですが、普段の活動の歌も踊りも。これに今度は楽器の演奏も加わるのかな? 楽しみは無限に膨らみます。
彼女らはやっぱりモノが違う。そのことがまたしても確認できた博品館の4日間でしたね。