まず「チュパカブラ」。これまでにも「揚げろ!エビフライ」、「Another Day」、「Lon de Don」など、歌詞が無意味無内容な曲を歌ってきたエビ中ですが、こういう曲は彼女らの得意とするところです。今回のもこれ何の歌ですか? 蚊が血を吸う歌? 面白いです。
タブラの独特な音色にどうしても耳が行くので、たぶんこの曲は民族音楽の文脈で語られることが多いだろうと思いますが、これ、曲の構成がザ・フーの「ババ・オライリー」に似てるなと感じました。あの曲も電子音楽とインド的エスニシティ(当時の流行りでした)を特徴としていますので、そういう意味でも相通じるところがあるのかも知れません。ただ、あちらが題名や旋律の一部をエスニックにしただけなのに対し、こちらはもっと本質的なところでインド的なものと繋がってる気がします。
インドの楽器、特にタブラなどの打楽器は日本の伝統音楽と意外にマッチします。先日あるライブで、タブラと能楽打楽器が一緒に演奏していましたが(こちらをご参照ください。一噌幸弘2014能楽堂へ行こう第二夜)、全く違和感がない。日本語学者の大野晋さんも日本語とタミル語との比較研究から、南インドと日本の文化的親近性を指摘しておられます(僕は日本人のカレー好きはそのせいだと勝手に思っています)。この「チュパカブラ」、聴いていて何だか落ち着くのは、われわれのDNAに訴えかけて遥か昔の故郷を思い出させているからかも知れません。
「涙は似合わない」は、極めて大雑把なことを言えば、70-80年代洋楽風の音ですね。「噂」の頃のフリートウッド・マックみたい。初めて「永遠に中学生」を音源で聴いたとき、この手の幼稚な曲は勘弁して欲しいなと思ったものですが、今やライブでこれがかかると隣の人と肩組んだりクルクル回転したりしてますから、今回の「涙は~」もライブ終盤で映える曲かも知れません。ただ、エビ中楽曲としては歌詞がちょっとストレート過ぎるかな。このひたすら前向きな感じはお姉さんグループがいかにも歌いそう。もう少し斜に構えた方がエビ中らしいのでは、と個人的には思いました。横アリでも披露されましたが、規模が規模だけにじっくり聴くってわけにもいきませんでした。もう少し小さい箱で聴いてみたいです。
(続く)
