Carlo Bergonzi (1924-2014), R.I.P. | 霽月日乗・ホーマーEのブログ

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個人の備忘録です。

昨日の朝日夕刊に、イタリアのテノール歌手、カルロ・ベルゴンツィの訃報が載っておりました。

歌手としてのベルゴンツィは、よく言えば「安定の」、悪く言えば「取り立てて特徴のない」歌手、というのが僕の印象でした。ただ、アナログレコードの全盛期と彼自身のキャリアの全盛期が重なっていたせいで、僕の聴いたレコードではヴェルディのテノールはたいていこの人だった記憶があります。

かつてイタリア語を習い初めの頃、歌を覚えるのがよかろうということで、『リゴレット』の公爵のアリア「女心の歌」のレコードを調達しましたが、それがベルゴンツィとの最初の出会いでした。ラファエル・クーべリック指揮、独グラモフォン盤。

そのときのハイライト盤はどこかに行ってしまいました。いま手元にあるのは全曲盤のCD。ベルゴンツィよりも、脇役の2人、スパラフチーレのイーヴォ・ヴィンコとマッダレーナのフィオレンツァ・コッソットを聴くべきアルバムですが、まあこの際いいでしょう。ベルゴンツィの歌唱は良くも悪くも標準仕様、語学の学習にはうってつけです。その節はお世話になりました。

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そういえば90年代初めに、当時のイケイケのテノールばかり集めた(いわゆる3大テノールは入っておらず、なかなか渋い人選)コンサートの映像が出ました。伊ヴェローナのアリーナで収録。僕は当時VHSで観ました。CDも抜粋盤が出てたなあ。調べるとDVDもあるようですが、今は残念ながら品切っぽい。

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でもこれ、面白いです。要するに顔見世興行ですが、文字通りの歌合戦、みなスコアなんて平気で無視してハイCの連発(笑)。

で、これにもベルゴンツィは出てました。そのメンツの中ではもちろん最大のスター。でも記憶に残ってるのはフランコ・ボニソリとかマリオ・マラニーニ、サルバトーレ・フィスケッラあたりなんですよね。そもそも選曲からして、ボニソリが『トロヴァトーレ』の「見よ、恐ろしい炎を」、マラニーニが『トゥーランドット』の「誰も寝てはならぬ」、フィスケッラが『ボエーム』の「なんて冷たい手」でしたからね。対するにベルゴンツィは『アフリカの女』の「オ・パラディーゾ」ですよ(作曲者はマイアベーアです、念のため)。渋すぎ(笑)。彼はやっぱり地味な人なんです。

なんだか故人に申し訳ない文面になってしまいましたが、それだけ「スタンダード」な人だった、ってことで。

あらためて、ご冥福をお祈りします。