人間は、自分が希望する通りにならなかったら、神様が叶えてくれなかった、と無意識に〝つい〟考えてしまう、という体験をしました。
実際の話をそのまま書くと、個人が特定されるおそれがあるので、たとえ話で説明します。
私が住んでいる地域の町内会では、全部の世帯が除草作業（草むしり）をしなくてはいけない、という決まりがあります。（このたとえ話は完全に創作です）
除草作業をパスすることはできません。
除草作業をする区域は、その地域に住む世帯の数ピッタリに、細かく分けられています。
道や建物の関係で、大きさには差があります。
少しでも狭いところがいい！ 早く終わるし、ラクだし！ と誰もが思います。
文句が出ないように、区域を決めるのは、公平なくじ引きです。
世帯全部に、まず、番号がふられます。
そして、くじ引き集会で、番号の書かれた玉が、福引のガラガラに入れられます。
ガラガラを回し、玉が出てきた順に、どの区域を担当するのか、自分で選ぶことができます。
つまり、早い順番でガラガラから自分ちの番号の玉が出たら、作業がラクで早く終わる狭い区域を選べる、というわけです。
このような集会に出席しました。
この時、私には五芒星お稲荷さんがついていました。
たまたま我が家に来ていて、一緒に行ってくれたのです。
「私の玉は、早いうちに出るだろう」と思いました。
しかし、なかなか、私の番号が出ません。
あら？ なんで？ え？ まだ？ というくらい出ないのです。
五芒星お稲荷さんがついているのに、なんで？ おかしいな～、とだんだん不安になりました。
くじ引きで助けてくれないのはどうしてだろう？ と、あれこれ悩んでいたら、やっと私の番号が出ました。
後ろから数えて５番めです。
うっそーっ！ と、本気で驚きました。
玉が出た順に前に行き、そこでどの区域にするか、選び、記録します。
ひとりひとり前に行って、慎重に選ぶため、時間がかかります。
うわー、これはもう、絶対に、広々とした場所の草抜き決定やわー、
一番狭いところに比べて、倍以上の時間がかかるやん、
あー、ついていない～、
というか、五芒星お稲荷さん、なんでこんな後ろの順番にしたんやろ？
なんで、助けてくれなかったんだろう、と不満たらたらで考えていました。
狭い区域は次々に選ばれて、どんどんなくなっていきます。
「はぁぁ～」とため息をついたところで、ふと、気づきました。
超広い区域となっているひとつは、この日から水道工事がされているのです。
なので、半分以上が立ち入り禁止になっています。
その区域は、まだ選ばれていません。
そこで私の番になったので、前に行き、「ここって、水道工事が始まっていますよね？ 立ち入り禁止のところはできないと思うのですが～」と言ったところ、
「あ、そうでしたね！ 立ち入り禁止ではないところだけでけっこうですよ」と言われました。
そうなると、一番狭い区域の半分もないのです。
ひゃっほぅ！ ということで、そこを選びました。
ここで、ハッと気づいたのです。
神様は、私のためを思って、〝わざと〟順番を遅くしてくれたのでした。
私が、水道工事に気づくための時間が必要だったからです。
もしも最初のほうだったら、狭い区域を選んでいました。
でも、いくら狭い区域でも、工事があるところより、倍以上の時間がかかるのです。
神様がすることに間違いはない、と知っている私でも、なかなか自分の番号の玉が出てこない時、
そして、後ろから５番めとなった時に、
「神様はどうして助けてくれなかったのだろう？」と思いました。
自分が希望する順番にならなかったのは、神様が助けてくれなかったから、と〝つい〟考えてしまったのです。
工事に気づいていない時は、広い区域を除草することになると思っていたので、それを神様のせいにしました。
遅い順番になったことには、ちゃんとした理由があった、それは私のためだった、とわかった時、「うわー、私ってまだまだだな～」と痛感しました。
五芒星お稲荷さんに申し訳なくて、ちょっぴり涙も出ました。
人間って……いや、私だけかもしれませんが、勝手な部分があるなぁ、としみじみ思いました。
こういう時に、ふと思い出すのが、楠木正成さんです。
下に貼っている記事に書いたように、正成さんは素晴らしい信仰の持ち主でした。
「お稲荷さんのすごいひみつ」という本に書いた、龍民族の頭領もそうですね。
素晴らしい信仰心を持ったお方です。
自分はまだまだ未熟である、と実感し、あらためて神様はすごいと思った、というお話でした〜。
３月２１日発売です。
