湊川神社のご祭神、楠木正成さんことをブログに書いた時に、「大河ドラマで武田鉄矢さんが演じていた正成さんが、そのようなお人柄でしたよ」というメッセージをもらったことがあります。
私は大河ドラマの「太平記」を見ていないので……と、他は見ているような書き方ですが、実は大河ドラマは数えるくらいしか見ていないため、太平記のことはまったく知りませんでした。
武田鉄矢さんが演じる正成さんをいつか見てみたいな~と思っていたら、数ヶ月前、元夫経由でDVDが手に入りました。
「やったー!」と見始めたのですが、なにせ1年分のドラマですから話が長く、主人公が足利尊氏のため、なかなか正成さんが出てこなくて、やっと登場しても話がなかなか進まず……しかも、見る時間を毎日取れないせいで、まだ3分の1くらいしか見終えていません。
武田鉄矢さんが演じる正成さんは、私が会ったご本人とは違いますが(←当たり前です、というツッコミを自分で入れておきます)、でも、器が大きくて、おっとりとした優しい部分があるところを、うまく演じておられるな〜、と思いました。
先を早く見たいのですが、全部を見終えるにはまだまだ時間がかかりそうです。
「正成さまが戦死される直前、湊川堤防に一族郎党を集め、全員が身に付けていた神仏の護符を全て集め、神仏を血で穢してはならないからと、川沿いの松の大樹の下の稲荷の祠に納めた」
とのことです。
メッセージを下さった方の感想も書かれていました。
私は楠公さんの、そんな瀬戸際にすら神仏に対する礼儀を守る心に、なんというか、「真(まこと)の人」と感じました。
私もこのお話は心にジーンと響きました。
正成さんらしいな、とも思いました。
(2回しかお会いしていないのですが、会話を交わせば、人柄がわかりすぎるくらいわかるお方なのです)
これが他の武将のエピソードだったら、「この由緒、本当?」と、まるまる信じていないと思います。
由緒として書かれている神社の神様に、確認をしに行きますし、神様に真実を聞くまでは書かないです。
でも、正成さんだったら疑う余地がありません。
まさにそのような行動をするお人なのです。
この時、すでに自刃を覚悟していて、その血で神様を穢してはいけない、と考えたのだと思います。
すごいですね。
これが、もしも私だったら……。
自刃を覚悟するところまではできても、そのあとは、「神様、うまく死ねますように」とか「スカッと死ねますようにお守り下さい」などと言って、神様に頼ってしまいそうです。
護符やお守りをさらに強く握りしめるのではないかと思います。
サッと死ねずに長く苦しむのを避けたいからです。
でも、正成さんは逆で、守ってもらうのはここまでで結構です、ここから先は穢してしまうので、神様、どうぞお帰り下さい、と護符やお守りを手放したわけですね。
美しい心だな、誠意を尽くす人だったんだな、としみじみ思います。
信仰心が並はずれて厚かった、ということもわかります。
神様になって多くの人を救っておられる正成さんですが、生前の行動でも、こうして後世の人に感動を与えてくれるのでした。
小さなエピソードですが、私はまだまだ未熟者である、ということを教えてくれたありがたいお話です。