写経は、亡くなった人に、あたたかい供養を送ることができますよ、亡くなった人のサポートになりますよ、ということを今までの書籍でずっと書いてきました。 

(過去に書いたブログの般若心経記事は、高野山の本を書くにあたって空海さんに聞いた最新の情報が入っていないため、現在非公開にしています) 

 

「写経は会ったことがない人にも届きますか?」

 

「向こうは私を知らなくても供養になりますか?」

 

という質問が、最近続いておりますので、そこをちょっと書いてみたいと思います。 

 

答えから先に言いますと、大丈夫です。

 

届きます。 

 

ご心配にはおよびません。 

 

ただし、お寺で〝仏様に奉納するもの〟に限ります。

(郵送で受け付けているお寺でも、仏様に奉納してもらえるのであれば届きます) 

 

お寺で書いた写経でも自宅に持ち帰った場合は、残念ですが届きませんのでご注意下さい。 

 

亡くなった人は多いし、仏様は間違うことなく、その人に届けてくれるのだろうか? という不安をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、確実に届けてもらえます。 

 

というのは、鬼籍に書かれた人のことは、どの仏様も全員わかっておられるからです。 

 

亡くなることを、【鬼籍に入る(きせきにいる)】と言います。 

 

死ぬと鬼籍に名前を記入されるためです。 

 

一般的に言うこの〝鬼籍〟とは、お寺に備えられた、〝過去帳(亡くなった人の名簿)〟のことを指しています。 

 

お寺では、檀家の人や信徒が亡くなると、その人の俗名・法名・死亡年月日などを記しておく帳簿があります。 

 

その帳簿の名前が過去帳なのです。

 

過去帳制度は鎌倉時代以降に成立し、江戸時代に一般化されたそうで、お役所に提出する死亡届のような感じですね。

 

過去帳に記入される = 鬼籍に入る、というわけで、つまり、どちらも亡くなったことを意味します。 

 

では、なぜ、過去帳が鬼籍とイコールなのか? 

 

と、言いますと、ご存知の方もおられると思いますが、閻魔様(えんまさま)の手元にある、過去帳と同様の書類の名前が〝鬼籍〟なのです。 

 

閻魔帳とも呼ばれるものです。 

 

閻魔様をはじめ、死者を裁く冥府の裁判官などが管理しているこの書類(鬼籍)には、亡くなった人の姓名や年齢などが記載されています。

 

閻魔様の裁判を受けない、霊格が高い人でも記入されますし、宗教が違う人も記入されます。

 

人間が亡くなると必ず記載される、それが鬼籍なのです。

 

閻魔様は仏様ですから、これは仏様世界のお話です。 

 

仏様の世界に入った人、仏様世界のその名簿に名前が載った人のことは、仏様であればどなたも知っておられます。 

 

阿弥陀様やお地蔵様だけでなく、他の仏様……薬師如来様でも観音様でも、空海さんや最澄さんでも、仏様だったらすべて知っておられるのです。

 

ですから、どの仏様に写経を奉納しても、ちゃんとその人に届けて下さいます。 

 

亡くなった人を思いながら、心を込めて書いた写経は、あたたかい波動を持った優しく愛のある供養として、亡くなった人をサポートします。 

 

亡くなった人にとても喜んでもらえます。 

 

生前に会ったことがなくても、たとえ亡くなった人が自分のことを知らなくても、仏様の手で確実に届けてもらえる……小さいけれど、亡くなった人をあたたかく癒す供養……それが写経なのです。

 

 

 

 

 



 

 

 

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