友人のダンナさんに天狗がついていることは、以前にチラッと書きましたが、その友人夫婦が、初めて伏見稲荷に参拝した時のお話です。
友人夫婦は、伏見のお稲荷さんを神棚にお迎えすることに決め、京都までご挨拶に行きました。
神社に到着し、まず下の授与所でおふだを買って、それを持って、稲荷山の「一ノ峯」に向かいました。
一ノ峯までは、ちょっとした登山をするような参道ですから、少し疲れたふたりは途中のお茶屋さんで休憩をしました。
そこで、ダンナさんは、テーブルの上に、おふだを入れたリュックを置きました。
それを見た友人は、なぜか、リュックを背中から降ろしてはいけないのでは! と勘違いをしました。
「きゃ~! それ、ダメじゃん」と思いましたが、先に一ノ峯でご挨拶をして、降りたところでもう一度、新しくおふだを買えばいいだけの話です。
そうしようと言うと、ダンナさんのほうが「いや、それはあかん」と言い、書い直してくる、と下山して行きました。
友人は、「じゃあ、私はちょっとずつ先に行ってるね」ということで、ひとりで登りました。
友人が一ノ峯に着いても、ダンナさんは全然、登ってくる気配がありません。
すると、ダンナさんから、道に迷った、というメールが届きます。
友人は「え? どこで迷ったん? 迷うところあった?」と思いましたが、添付されているのは、どこぞの民家の写真です。
その後も、迷子のメールが何回か届き、林の写真が送られてきたりして、友人は本気で心配しました。
しば~~~~~~~らくして、やっとダンナさんが一ノ峯に到着します。
ダンナさんはかなりの距離を歩きまわったため、ヘトヘトのヘロヘロ状態でした。
でも無事に、一ノ峯で「このおふだを神棚にお祀りします」というご挨拶ができました。
同じような経験をしたことがある、という方が、読者さんの中にもいらっしゃると思います。
私も、朝護孫子寺に初めて行った時に、ド派手に迷子になりました。
え? あのお寺に行くのに、どこで迷子になったん? と不思議に思う人がいると思いますが、当時はレンタカーではなく公共交通機関であちこちに行っていました。
しかも、どこに行くのも一番安いコースにしていたため、バスや電車を降りて、長距離を歩くのは普通だったのです。
この時は、少し遠い所からハイキングコースとなっている道を歩いて行きました。
これが思ったより大変な道のりで、途中から、どっちがどの方向で、どう歩けばいいのかわからない、という迷子になりました。
当時は紙の地図しかなかったので、永遠に朝護孫子寺にはたどり着けないのでは? とさえ思いました。
ものすごい時間がかかって、やっとお寺に到着したのです。
ご本尊である多聞天さんは、そこまでして頑張って来た私に、初回の参拝で「お前を守ってやる」と、ご縁を下さいました。
このように、ご縁を与えてもらえる時は、神仏に信仰心を試されることがあります。
ですから、もしも迷ったりしたら、テストかな? と、頑張ってパスすることをおすすめします。
友人夫婦のように、普段はそんな勘違いをしないのに、おふだが入ったリュックをテーブルの上に置いてはいけないのでは? と、勘違いをしたこともテストだからです。
あとから考えて、あれ? と思うこともよくあります。
道に迷った = 嫌われた、と間違った解釈をして、帰ってしまうのはもったいないです。
逆なのです。
やった、テストだ! ご縁を下さるのかも? と喜ぶべきことなのですね。
ちなみに、道を間違えたり、到着に苦労したりするのは、方違えという場合もありますから、それを書いた記事も貼っておきます。