長い人生には失敗することもありますし、判断を間違えることもあります。
それは誰にでもあることです。
あとから頭を抱えるようなことをしてしまうことも、
いくらなんでも、あれはあかんかったやろ……と反省することも、あると思います。
人間ですから、誰もが完璧ではありません。
たとえば……昔、道ならぬ恋をしてしまった人がいるとします。
その恋をなんとか終わらせて、そこから猛反省をし、心を入れ替えました。
二度と道理にはずれた恋はしないと決め、今は正しく生きています。
けれど、何度も後悔の念が襲ってくるので、そのたびに深く反省をしています。
ひとりになって、神仏が大好きになり、週末はコツコツと参拝を重ねています。
ある日、縁結びが叶って、この人とともに生きていきたい、という人と出会うことができました。
結婚式は、できれば大好きな神様のところでしたい、けれど……
ここで気になるのが、過去の道ならぬ恋です。
自分のような人間が、神前で永遠の愛を誓ってもいいのだろうか?
神様に嫌がられるのではないだろうか? と悩みます。
もしかしたら、結婚式どころか過去のことで、神仏は自分のことをよく思っていないかもしれない……
今まで普通に参拝をしてきたけれど、それってよかったのだろうか?
と、悩みはどんどん深みにハマっていきます。
ここで私の登場です。
「あの~? もしもし? それって、反省しすぎではないでしょうか?」
「運玉(文庫本)」の取材で秀吉さんに会った時に、秀吉さんも同じことを言っていました。
過去のことを、ものすごーーーーーく反省している読者さんが参拝に来たそうです。
話を聞いた秀吉さんは「いやいや、それは、そこまで反省したら、もういいから」と、
その人の肩をポンポンとしてあげたそうです。
けれど、その人は秀吉さんのなぐさめに気づかず、秀吉さんの目の前でもんもんと悩み、後悔し続け、最後に、
「秀吉さん! 私はどうしたらいいのでしょうか!」と、泣きながら問いかけたそうです。
このような人がたまに来る、と言っていました。
秀吉さんは、「人生の途中で何か悪いことをしても、後悔するような失敗をしても、それは一旦、横に置いておけ」と言っていました。
「完全に横に置け!」と重ねて言っていました。
ちゃんと反省をしたら、そのことは一旦横に置いて、そこからは良心に従って真っ直ぐに生きていけばいいそうです。
そうすれば、
「生まれ変わった人生になる」
「やり直すことになる」
「人生の質が変わる」
と言っていました。
一番よくないのが、いつまでもしつこく思い悩む、後悔をすることだそうです。
自分がいつまでもこだわって、そのことをガッチリと握って手放さないため、延々と苦しむわけです。
自分で自分を許していないからです。
なので、そのことは〝とりあえず〟横に置いて、
そこからは顔を上げて、前を向き、
自分にできることをすればよい、とのことです。
「でも、それでも心に引っかかるんです」という方は「天」に反省を積めばいいと思います。
反省をすることは大事ですが、自分を大切にすることも大事なことです。