ちょっと前に取材に行ったのですが、久しぶりに幽霊がいる部屋に泊まりました。
そのホテルはマンションを改築したような建物でした。
夜、寝ていると、カサカサとベッドのまわりを歩きまわる音がします。
「いるなぁ」と思いましたが、取材で疲れていたため、眠くて眠くて、意識が「起きる」ところまでいきません。
そこで、お不動さんの真言を唱えました。
声に出すのが面倒だったので、しかも半分寝ぼけていますから、正常な判断ができず、「心の中でいいや」と声に出さずに唱えました。
当然、効くはずがありません。
カサカサと歩きまわっています。
そこで、声に出して何回か唱えていると、気配が消えました。
そのまま眠りに落ちていたら、また歩きまわる音がします。
今度は面倒くさがらずに、最初から声に出して真言を唱え、消えてもらいました。
しばらくすると、また、出てきたのです!
今度は歩きまわったりしません。
ベッドの横に立っています。
その時に、いきなり左の手首に痛みが走りました。
「痛っ!」
切られるような痛みです。
どうして痛いのか意味がわからず、寝ぼけているせいもあって、とりあえず布団でぐりぐりしました。
布団に押しつけ、布団とふれ合う感覚が勝ったので、謎の痛みは消えました。
で、すやすやと寝ていると、またしても、するどい痛みが走ったのです。
「痛ーっ!」
布団でぐりぐり、しました。
そこで気づきました。
痛みは、左の手首です。
カミソリか包丁のような鋭利な刃物で、横に一直線に切られたような痛みなのです。
ああ、そうか、手首を切って自殺をしたのか……。
枕元にスマホを置いていたので、〝お坊さんが唱える〟般若心経を流してあげました。
自殺して、どれくらいたっているのかわかりませんが、もしも、成仏する準備ができていたら、般若心経を利用して成仏できるかもしれません。
「頑張ってね」と、エールを送りましたが、その後、どうなったのかは不明です。
そのあとはシーンと静かになって、二度と出てきませんでした。
翌朝、「うまく成仏できたかな……」とは思いましたが、成仏の準備がまだできていなかった可能性のほうが大きいです。
その場合、幽霊はお経が苦手なので逃げます。
そして、お経を聞きたくない幽霊は、もう出てきません。
幽霊には悪いのですが、生きている人間からすれば、憑かれるのは困ります。
朝になって、お地蔵さんを呼んであげればよかったな、と気づきましたが、寝ぼけていたので、まったく思いつきませんでした。
幽霊、かわいそう……と思った方がおられるかもしれませんが、幽霊の対応はしっかり考えたほうがいいです。
幽霊について書いた記事を貼っておきますので、よかったら参考になさって下さい。