近年急速に製品が充実し、そして日本のメーカが撤退をしているAHD規格。既存NTSC配線でアナログフルハイビジョンが送れるこの規格は、リプレースの際のコスト圧縮や海外製品の充実から手ごろなハイビジョンカメラとして選択肢の一つとなっています。
AHDカメラは同軸ケーブル1本で送るアナログハイビジョンなのですが、HDMIへの変換や、HDMIからAHDへの変換などがあり、非常に商品が充実しています。その中で今回はAHD to HDMIコンバータを取り上げます。
AHD to HDMIコンバータ。どこかで見たデザイン。対象となる信号はAHD、TVI、CVI、CVBS(NTSC)と網羅している様だがこちらはAHDしかテストしていない
HDMI OUT側
AHD IN側
とにかく恐ろしいほど低コストで、利益なんて出ているのか理解不能な価格で中国サイトに売っています。倍の値段を出せるなら国内でも購入は可能ですがそれでも安いです・・・
小型赤外線AHDカメラ(M12 P=0.5マウントレンズ。交換レンズのラインナップは沢山ある)
この組み合わせで映った！
事の発端は 日本のメーカが販売しているAHD製品が自社のAHDカメラしか認識しなかった件です。AHD製品とはうたうものの、世間一般に流通しているAHD規格は対応していません、といった態度は意味が分かりません・・・。
とりあえず、AHDカメラを一旦HDMIに変換すればなんとかなる為、手ごろで安価なコンバータを探していました。
AHDカメラの市場はかなり大きく、同軸伝送ハイビジョン監視カメラの初期にあったEX-SDIや放送規格そのままのHD-SDI(だいたい30.00で59.94f問題が起きましたね)の国内市場を一掃してしまい、結局今はAHDカメラが残っている現状です。
伝送はアナログですので、繊細な画は流れ眠たく、色も偽色が出るなど本当にNTSCの高解像度版なだけな事を実感しますが、監視カメラにおいては必要十分でまた、高速応答性はネットワークカメラに勝ります。AHDカメラとAHDのレコーダで監視を構築し、AHDのレコーダからONVIFでネットワーク監視も可能な為、かなりの汎用性があります。
無いなら作ろう規格から、の精神は非常にたくましく日本市場では太刀打ちできる気がしません。
※筆者が仕事を始めた20年くらい前から韓国の防犯カメラ市場はめちゃくちゃ強かった
AHDの規格提唱企業Nextchipの公式Webサイト
※登録商標している企業があるのですね・・・守られている気もしませんが・・・
基板写真
Techpoint TP2830 AHD to HDMI変換チップ
CV2880-EX ビデオシグナルプロセッサ
TC9138A HDMIチップ？(適当な印字かも)
職務上、変わった環境にカメラを付ける為、このような機器の組合せを試験する必要があります。