マグネット付きハンダリール、この記事を書いたのは2009年です。
現場でのハンダ付け作業の効率を見直そうと、このマグネット付きハンダリールを再設計しました。
今回一番大きな変化は、「汎用性を捨て、自分が使いやすい様に作る事」を第一に掲げた点です。こうしたツールを作る時はどうしても見た目のデザインや、一般的に使いやすい形を追求しがちな性分なのですが、それらをすべて捨て、自分専用に設計をしました。誰かの為ではありません。自分自身の作業効率を上げる、ただそれだけの為の設計です。
マグネット付きハンダリール図面
展開図
板金発注図
組んだ状態
ハンダリールを嵌めた状態。摺動調整は間に両面テープ付きプラ版を仕込んでいる
完成品
筆者はアルミットのハンダを使っているので、このリールのみ使える設計にしました。他社のハンダリールは取り付ける事ができません。ここで汎用性を持たせるとブカブカのデザインになるのでそれらすべてを捨てました。
写真の物はエッジや表面の研磨処理を行った状態です。材質は基本ステンレス、リールを支える丸棒はアクリル製で共に業者発注です。
底面にゴム被覆で覆われたネオジムマグネットが付いている
フランジ付きローレットナットにベルマウス加工を施しハンダのガイドとした
ハンダの先端
ハンダはエアー抜きホーローセットのM3ネジでガイドしています。なぜこの形なのか?ですが冒頭に書いたように、自分が使いやすいから、です。逆転防止機構や単なる穴など、相当テストを重ねましたが、シンプルが一番との結果になりました。
側面。片持たせ構造になっている。これは子供の頃作ったバイクのプラモデルの後輪の構造をイメージした
可搬時のリール空転はクリップで防止する
新旧の2ショット。自分で板金した旧タイプは12年使っていた。お疲れさま!!
今回はこれを取り付ける作業台も作成した。水平器が付いているのはこの台自体をマグネット取り付けでRAMマウント化する為
背面。三価ブラック仕上げの為、ゴム被覆付きネオジムマグネットのゴム跡が残っている
ここにマグネット付きハンダリール、マグネット付きコテ先クリーナを取り付ける
コテ先クリーナの底面にもゴム被覆付きネオジムマグネットを取り付けている
マグネット付きハンダリールは、空中で保持する為にSmallRigのアタッチメントが取り付けられるように設計を行った。作業用LEDライトもマグネットが仕込まれており自由に取付られる
空中保持は出来る限り自由な可動域を設けた。マグネットが取り付けられるところであればどこでもこの状態での使用が可能
※可動域の問題があり、今後RAMマウントに変更する可能性はある
マグネットベースを作成したのでSmallRigのパイプクランプを逆に使い、コネクタを保持できる機構を設けた
LEDライトを点灯させている状態。メッキのおかげか、落ちたハンダはくっつかず、簡単に後で処理が可能
ハンダリールは小型である為、手前側から向こう側へ、と言った使い方も可能(筆者はこちらの状態で使うことが多い)
ネオジムマグネットはマグネットのみの状態の物も用意した。鉄板に取り付ける場合は大変強力にくっつくがゴムによる摩擦が無いため、押せば簡単に横にスライドさせることが可能
筆者の現場用ハンダ付けセット。機内持ち込み用の透明ポーチにすべて入る
今回作成した道具を加え、現場用ハンダ付けセットの入れ替えも行いました。
卓上での作業環境をミニマムに現場に持ち込む事で作業効率が相当アップするはずです。
是非、自分の為だけの道具を作ってみてください。