AMD Radeon Proで画面マルチ機能のAMD Eyefinityを使ってみる | 音響・映像・電気設備が好き

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2018年のInter BEEでHDBaseTの4ポート出力ビデオボードが展示されていたブースで、これは単独でマルチモニタ(複数出力を束ね、PC上で1枚のモニタとして扱う)が可能なのか?と質問をしたところ、可能であると回答を貰いました。

へーっと思う自分に、だがその機能はそもそもAMDが提供しているものでこれのGPUがAMDだから可能であるだけ、との説明を受けました。

紆余曲折あり、HDBaseTモデルは使用する事がなくなり、Display PortまたはHDMIでマルチ画面を組む事になりました。とりあえずAMDのGPUならマルチモニタが可能と言う事が事前に分かっていたのでAMD Radeon Proを選定しました。

そしてついにマルチ画面を組む事に・・・・・この機能、AMD Eyefinityと呼ぶようです。

※今ならNVIDIAでも同様の事が可能かもしれません

 

 

AMD Radeon Proのセッティング画面

 

 

AMD Radeon ProのDisplay Portが4ポートあるビデオカードを選択しました。ビデオボードを組み込み、ドライバをインストールし設定を行います。適当に探すと、AMD Radeon Proのセッティング画面にEyefinityがありました。これを選択します。

 

 

Eyefinityのセッティング画面

 

 

Eyefinityの詳細設定でレイアウト選択をします。モニタが1、プロジェクタが3の合計4映像出力でプロジェクタ3台を横につなげ、PCから一つのモニタとして認識するように設定を行いたいので、レイアウトで3×1を選択しました。

 

モニタの解像度は1920×1080、プロジェクタのパネル解像度は1920×1200です。プロジェクタを横に3面と言う事で、1920が3倍で、5760×1200のモニタを作成するのが目標です。

 

ですが・・・・・・・・・・・・・・・生成されるモニタ解像度は12288×2160(それも30p)なのです・・・・それ以外の解像度も選択は可能なのですが、5760×1200という解像度は見当たりません。

これは、プロジェクタと言うものは昔からパネル解像度以上の映像入力を受けられる仕組みになっており、EDID上で4096×2160が最大入力解像度として設定されている事が原因でした。

 

適当に設定を眺めていたら、EDIDエミュレーション機能がビデオボード側に搭載されている事に気が付き、筆者のEDIDライブラリから1920×1200のものを適当に読み込ませてみました。

 

 

AMD Radeon ProのEDID設定

 

 

.binファイルを指定するだけの簡単機能です。

※筆者はEDID収集が趣味でもあるので、2010年から自分のノートPCで接続した機器のEDIDを全て保存してあります。

・・・ところが、プロジェクタが映像を受け付けなくなりました。こういったケースは多々あり、恐らくはEDIDのプリセット信号をプロジェクタが受け付けないのでしょうね。

この次に取る手段はカスタマイズEDIDです。

 

参考リンク:

カスタマイズしたEDIDデータを書き込む方法を考える

 

 

Gefen Syner-G for Windows

https://www.gefen.com/technology/gefen-syner-g-software

 

 

使用するのはGefen Syner-G for Windowsです。こちらのソフトウェアでプロジェクタから取得したEDIDを開き、1920×1200以上の解像度を削除し保存します。そしてそれをAMD Radeon ProのEDID設定で再度指定をします。すると・・・

 

 

5760×1200のモニタが作成できました

 

 

PC側から1920×1080が1、5760×1200が1という認識になりました!成功です!

これで望み通りの挙動をするようになりました。

本件の教訓は、パネル解像度以上の入力が可能なEDIDをもつシンク機器をAMD Eyefinityで束ねる場合、カスタマイズEDIDまたはEDIDエミュレータが必要である、です。でもこのようにビデオボード側でEDIDの強制設定が可能なのは大変便利ですね・・・今回はこれに助けられました。