D-sub端子を留めるネジのピッチを考える | 音響・映像・電気設備が好き

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「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

仕事柄、D-sub端子とは縁が切れません。勤務先では固定ビスをインチ(#4-40)ピッチに統一されています。
D-sub15ピン(DE-15)やDVI端子などは世界的に見てもインチが主流で、国内海外問わず「ビスのピッチが合わない」なんて事はまずありません。が、問題になるのはD-sub9ピン(DE-9)や25ピン(DB-25)です。良く聞く話として、なんか硬かったけど留められたよ、まったく入らなかったよ、と言うのがあります。

 

今まで気にもしませんでしたが、ここらで調べることにしました。

 

 

 

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代表的なD-sub留めビスであるM2.6と#4-40

 

 

 

 

D-sub25ピンのマルチチャンネルオーディオ端子を利用している方は常識かと思いますが、なんと国内外問わず、ミリとインチが混在しています。
その証拠に、D-sub25ピンのマルチチャンネルケーブルの製品はミリピッチネジ、インチピッチネジの2通り販売されています。

 

 

仕事でも大変お世話になっている、株式会社廣杉計器のD-sub用スペーサですが、こちらを見る限り、D-sub留めネジは、M2.6、M3、#4-40とあるようです。

 

 

参考リンク:株式会社廣杉計器 D-SUBコネクター取付スペーサー
http://hirosugi.co.jp/technical/subjective-basis/d-sub_144.html

 

 

 

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という事で、M2.6、M3、#4-40のスペックをまとめました。

 

 

 

簡潔にまとめると、

 

 

M2.6=径2.6mm、ピッチ0.45mm
M3=径3.0mm、ピッチ0.5mm
#4-40=径2.8mm、ピッチ0.635mm

 

 

との事です。
ここから、互換性を考えてみます。

 

 

 

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上:M2.6のメネジに#4-40は入らない
下:M3のメネジに#4-40は2山入る

 

 

 

 

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上:M2.6のメネジにM3は入らない
下:#4-40のメネジにM3は入らない

 

 

 

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上:M3のメネジにM2.6は素通り
下:#4-40のメネジにM2.6は1山入る

 

 

 

以上の結果から、#4-40のメネジをD-subレセプタクル側に採用した方が、M2.6も何とか留まる、との結論を得ました。
不思議なのですが、スペック上では「#4-40のメネジにM2.6は1山入る」はずなのですが、試してみると2山(2回転)ほど入るのです。力を入れてしまうと更に入り込むのですが、これが冒頭に書いた「なんか硬かったけど留められたよ」かと思います。逆に、D-subレセプタクル側がM2.6の場合は#4-40は「まったく入らなかったよ」となります。

 

 

と言うわけで、#4-40を採用するにはわけがあるようです。この記事が誰かの参考になれば幸いです。