ZOOM H2n ハンディ・レコーダで4chサラウンド収録を試してみた | 音響・映像・電気設備が好き

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「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

今年はやけにサラウンドという言葉に関連する仕事が続くなぁと思った矢先、サラウンド収録のお話がありました。

サラウンド収録・・・の意味が良く分からないので、試しに、単体で360°の4chサラウンド収録が可能なZOOM H2n ハンディ・レコーダを買ってみました。


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ZOOM H2n ハンディ・レコーダ、H2n用アクセサリ・パッケージ APH-2n、ZOOM ズーム ヘアリーウィンドスクリーン WSU-1。


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左上のRycote ポータブルレコーダーサスペンションは会社で買ったものですが、その他は自費です。まぁ、どんな音になるのか単純な興味です。H2n用アクセサリ・パッケージ APH-2nで使えるなぁと思ったものは、リモコンとケースですかね。
※マイクホルダ取り付け用グリップをハンドグリップとして使ってタッチノイズが~というレビューを見ましたが、トンチンカンなレビューを見ると世の中平和だなって思いますね。


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ケースの出来が良かったです。


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MSマイクとXYマイクを併用して、48kHz 24bitの4ch収録が可能です。


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収録した音声を、VegasとDIGICheckで確認。DIGICheckのサラウンドフェーズチェック、めちゃくちゃ便利ですね・・・
4ch再生環境も仮で立ち上げ、聴いてみました。

で、結論ですが、「何か違うな」と言うのが第一印象。

サラウンドと言っても、色々な録音手法があって、色々な再生方式があると思いますが、(詳細は書きませんが)今回求められているものは、これではないな、と率直に思いました。
専門学校に行き始めた頃、自宅に安価な5.1ch再生環境を設置し、DVDでサラウンド映画を見るのにはまっていました。そこで聴いていたサラウンドと言うものは、自分なりに考えると、二種類ありました。
その空間にいるように見せるサラウンドと、演出効果として音が散っているサラウンドです。

その空間にいるように見せるサラウンドと言うのは、空間のインパルスレスポンスさえあれば疑似的に再現が出来るものと思います。※ホールのオーケストラ収録
演出効果としての音が散っているサラウンドと言うのは、単発音を各チャンネルにアサインしていくような、芝居で仕込みスピーカからドアの音だけが出る、みたいなものです。※アニメやSF映画に多い

想定する受聴点が人間の頭ひとつであれば、「その空間にいるように見せるサラウンド」と言うのはとても効果があるものだとは思いますが、一定の広さの空間がターゲットで人が不特定多数の場合は受聴点とスピーカの距離が変わるので、「演出効果として音が散っているサラウンド」の方が効果があると思いました。言い換えると、点で収録したサラウンド音源を一定空間に配置したスピーカからそのまま再生するのは今回の用途に合わなかった、と言う事です。配置する予定のスピーカと同じ位置にマイクを外向きに設置し収録する方式が一番求めるものに近い気がしました。(もちろん現実的な収録方法ではないのでこのような印象になるように方式は模索しました)
コンテンツ次第ではあるのですが、やはり実際に聴いてみないと分からないものですね・・・
という事で得るものがありました。(ZOOM H2nのレビューになってない笑)


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余談ですが、サラウンド収録はゼンハイザ MKH-416T(カーボンの竿とショックマウントとRycoteのウィンドウジャマー)、フィールドミキサのPROTECH FS-305(旧タイプ)、Roland R-26、Rycote ポータブルレコーダーサスペンションを使用しました。