AES/EBUのXLRコネクタのピンアサインって2番HOT?という質問がTwitterで流れていた(またTwitterネタか)ので、2番HOTですよと答えたのですが、裏を取ってみようと調べました。
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/holycater/36/4c/p/o0560020614425621226.png?caw=800)
参考:TASCAM CD-500BのAES/EBUアウトの説明
2番HOT、3番COLDと書いてありますね。アナログオーディオと同じで安心できます。ちなみにRoland AR-3000SDの取説にはアサインは書いてありませんでした。
※3ピンXLR端子(キャノン)のアナログオーディオ用途でのピンアサインはAES14-1992で2番がポジティブ(ホット)、3番がネガティブ(コールド)と制定されています。
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/holycater/c7/c5/p/o0988046814425621257.png?caw=800)
参考:YAMAHA MY16-AEの説明
Mini-YGDAI CardsのAES/EBUの16chデジタルI/OカードのDsubピンアサインです。ピンにHOTとCOLDという表記がありますね。
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/holycater/29/c3/p/o0560032214425621284.png?caw=800)
参考:NTi Digirator DR2の説明
今度は方向を変えて、NTi Digirator DR2 AES/EBUジェネレータの取扱説明書を見てみました。
すると、ピンアサインが書いていないのです。測定器の説明書ですよ?
少し考えて、これはデジタルデータかつバランス伝送なので正相でも逆相でも得られるデータは変わらないのではないかと思いました。
※この「逆相でも得られるデータは変わらない」というのはイーサネットケーブルの伝送方法でもケースとしてあります。
そこで、AES/EBUの規格書を見ることにしました。デジタルオーディオ伝送のAES/EBUはAES3-2003/IEC 60958-4で制定されています。
※この「逆相でも得られるデータは変わらない」というのはイーサネットケーブルの伝送方法でもケースとしてあります。
そこで、AES/EBUの規格書を見ることにしました。デジタルオーディオ伝送のAES/EBUはAES3-2003/IEC 60958-4で制定されています。
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/holycater/69/fa/p/o0922035514425621303.png?caw=800)
AES3-2003/IEC 60958-4での8.4 Connectorsの項
やはり2番ピンも3番ピンもシグナルと表記されているだけで極性が指定されていません。
下に「NOTE The relative polarity of pins 2 and 3 is not important in the digital case.」と「デジタル伝送のケースでは極性は重要ではない」と書いてあります。
下に「NOTE The relative polarity of pins 2 and 3 is not important in the digital case.」と「デジタル伝送のケースでは極性は重要ではない」と書いてあります。
と言うことで、デジタルオーディオ伝送のAES/EBU(AES3-2003/IEC 60958-4)は規格そのものにXLRの極性がないということが分かりました。
この極性を問わないと言うことはどういうことでしょうか?
![イメージ 5](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/holycater/25/3d/p/o0560016614425621327.png?caw=800)
ドライバの説明を見てみても、これだけでは極性を問わない理由にはならない・・・
人に解説する時、「値がどう変わったか、というパルスしか見ていないので、位相は関係ない」と説明していましたが、これより踏み込んだ説明が出来るか調べ、模式図を作成しました。
![イメージ 6](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/holycater/eb/de/p/o0800066314425621349.png?caw=800)
AES/EBUデジタルオーディオ(Biphase Mark Code /BMC) でXLR端子の2・3ピンの極性が問題にならない理由
※Biphase Mark Code = Lo(0)・Hi(1)ロジックの1ビットを2シンボル(2倍サンプリング)として扱い、Lo・Hiの絶対ではなく、どう変化したかの相対に置き換える方式。2シンボル化したLo(0)・Hi(1)いずれかが3回連続することがないように位相の定義をその都度変更している。
はい、図式でみれば一目瞭然です。
この「ソースコーディング」の状態では極性があるのですが、Biphase Mark Code(バイフェイズ・マーク・コード)された際は復調に位相を問いません。
余談ですが、後者は前者に比べると交流成分を多く含みます。これは長距離伝送時に多少有利なはずです。
この「ソースコーディング」の状態では極性があるのですが、Biphase Mark Code(バイフェイズ・マーク・コード)された際は復調に位相を問いません。
余談ですが、後者は前者に比べると交流成分を多く含みます。これは長距離伝送時に多少有利なはずです。
と、いうことで繰り返しますが結論です。
「デジタルオーディオ伝送のAES/EBU(AES3-2003/IEC 60958-4)は規格そのものにXLRの極性はありませんが、便宜上それでは不便なので一般的な2番をHOT(AES14-1992)として扱っている」
以上です。
「デジタルオーディオ伝送のAES/EBU(AES3-2003/IEC 60958-4)は規格そのものにXLRの極性はありませんが、便宜上それでは不便なので一般的な2番をHOT(AES14-1992)として扱っている」
以上です。
誰かのお役に立てれば幸いです。