ARM HSC-350 アームスエージャーの紹介 | 音響・映像・電気設備が好き

音響・映像・電気設備が好き

「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

近年、音響映像(弱電)設備でも落下防止ワイヤは必須となっています。また、重量物でなくても、震災などの影響で「明確な基準は無いが必須」という状況が増えています。
そんな時に便利!お手軽に台付ワイヤーを作成できるARM(株式会社アーム産業)のHSC-350 アームスエージャーの紹介です。ワイヤ・クリップを使用するより安価で確実な施工が可能です。
この記事での紹介は小型スピーカやプロジェクタの落下防止ワイヤを想定し、ワイヤ径1.5mmでの説明に絞ります。
※SUSワイヤ径1.5mm用メーカ指定圧着スリーブOS-1A使用時、ワイヤロープ垂直2本吊り安全荷重56kg以下、ワイヤロープ2本・振り角30度1点吊り安全荷重54kg以下、ワイヤロープ2本・振り角60度1点吊り安全荷重48kg以下、破断荷重200kg。
詳細はhttp://www.armsangyo.co.jp/arm/pdfs/hsc_ja.pdf

参考リンク:
株式会社アーム産業
http://www.armsangyo.co.jp/
イメージ 1
ARM HSC-350 アームスエージャー
※全体写真は自宅で撮れるところがなかったのでカタログからの抜粋です。


イメージ 2
圧着部分のアップです。ワイヤ径1.5mmの場合は最小の「1」を使用します。


イメージ 3

イメージ 4
これがメーカ指定圧着スリーブ「オーバルスリーブ OS-1A」です。写真のものは30個入りです。アルミ製で断面は「8」の字です。
写真では分かり辛いですが、スリーブ本体の片側だけに一本線のモールドが入っているのがワイヤ径1.5mmのOS-1Aです。


イメージ 5
ワイヤはHSC-350の側面でカットが出来ます。安いワイヤカッタより安全かつ手軽に切れます。

台付きワイヤ作成方法

イメージ 6

イメージ 7
1.スリーブにワイヤを通し、わっかを作ります。わっかの径は自由に作ることが出来ます。


イメージ 8

イメージ 9
2.スリーブを通した後のワイヤの処理は2通りあります。
・見栄えや手触りを気にし、メーカ推奨のワイヤ径の1.5倍を目安にする方法。
・作業確認や保守点検で目視出来るようにある程度の長さを露出させ、バラケ防止の為に先端部分だけをビニールテープでまとめる方法。
※全てをひとりの手で加工が出来る場合は、ワイヤ径の1.5倍露出で良いと思いますが、数人で作業を行う場合はやり直しの可能性が低くなる「ある程度露出」がオススメです。


イメージ 10

イメージ 11
3.圧着ペンチでメーカ指定個所を圧着します。ワイヤ径1.5mmのOS-1Aの場合は2箇所圧着します。


イメージ 12

イメージ 13
4.2箇所圧着をすれば完成です。
※圧着作業は安定した場所で行った方が確実です。高所の場合は、カラビナを併用し、安全かつ確実に施工が出来るように工夫しましょう。


イメージ 14
5.最終的には、HSC-350付属の圧着ゲージで適正圧着寸法を計測するのがメーカ推奨ですが、1.5mmのみを扱う場合は、写真の様な見本を作成し、圧着ペンチ本体にタイラップなどで固定しておくと施工後の確認がしやすいです。
※圧着ゲージがペンチ本体についていると邪魔になります(笑)
※ちなみに適正圧着寸法はワイヤ径1.5mmのOS-1A、ワイヤ径2.0mmのOS-1Bの場合は同じく5mm以下(実測結果)です。

ワイヤ・クリップでの施工はトルクの問題があるので均一な品質での施工が難しかったと思いますが、圧着式なら、最低品質を確保した施工が簡単です。

おまけ

機材への落下防止ワイヤの掛け方ですが、筆者が定めている基準は以下。

1.機材側の取り付けはメーカの指示がある箇所、または剛性が確保されている場所に取り付ける。
2.吊り元は基本的に躯体へアンカで支持を取っている場所に掛ける。
3.ワイヤの弛みは最小限にし、落下時にワイヤ自身に加速度が掛らないように「張り」をイメージして施工する。

もちろん、美観が優先されることがあるとは思いますが、基本的には上記の考えが基本です。
確実な施工を行い、もしもの場合に備えましょう。