RoHSとスズのウィスカ | 音響・映像・電気設備が好き

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「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

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音響・映像オペレータの時代にとある大学で非常に興味深い講演を拝聴しました。
「スズのウィスカ」に関する話です。

昔の電子機器はスズでメッキをすることが主流でした。
しかし、1940年代に、「スズがヒゲの様に成長し、回路を短絡させる現象」が確認されるようになりました。
この「ウィスカ」と呼ばれる「スズが成長(結晶化)する現象」は当時は解明されていなく、「なぜだか分からないが、鉛を混ぜたら解消された」という結果オーライな方法で解決されました。

時は過ぎ、RoHS指令という規制が2006年に施行されました。
「企業のみなさま!有害物質の使用を抑えましょう!」という取り組みです。
良く耳にする「鉛フリー」もこの一環で、当然、ウィスカの発生の抑制に有効だった、
「スズに鉛を混ぜる」ということもNGになり、再びウィスカ問題が浮上したのです。

現在も、ウィスカの発生は研究はされてはいますが、実は「根本的な解明」は未だにされていません。

拝聴(仕事)する中、「身近な鉛フリーハンダはどうなんだ?」という疑問が湧きました。
質疑者で同じことを思った人がいて、講演者にこう聞きました。

「鉛フリーはんだにおいて、ウィスカは発生するのですか?」

すると、

「わかりません。」

とのびっくりする答えが…。
この方は、ウィスカの研究をされている学者なのですが、 結局の所、ウィスカ問題にケリをつけぬままハンダの鉛フリー化がされているという事実があるそうです。

今日では多少の解明はされているのかもしれませんが、
「こうすれば大丈夫、鉛以外ならこの方法で行きましょう」
という方法は未だに確立されていません

ウィスカによる電子回路の絶縁不良は今後どうなるのでしょうか…?


※この記事は自分のmixiからの転載です。