ディスプレイにおけるフルスペック・ハイビジョンの定義 | 音響・映像・電気設備が好き

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ディスプレイにおけるフルスペック・ハイビジョンの定義です。

近年、HDパネルを搭載したFPDが増えてきて、CMなどでも「フルスペック・ハイビジョン」なんていう名前が出てくるようになりましたが、そもそも「フルスペック」の定義ってなんなのでしょうか?

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「ハイビジョン」の定義はJEITAが定めていて、「垂直解像度が650以上で表示できる」ことが条件です。
しかし、これはあくまで解像度のみの指定であって、実際の映像伝送方法やTV本を定義しておらず言ってしまえば他はどうでも良いということになります。
参考:映像信号における解像度

「フルスペック・ハイビジョン」は一般的に1920×1080の画素を表示させることの出来るFPDを指す模様ですが、こちらは、実は各メーカが勝手に呼んでいるだけで明確に定義がされていません


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良く話題に上がることなのですが、1920×1080を表示できるパネルがあったとしても、地デジは1440×1080@59.94iがほとんどという事実を皆さんご存じないようです。
「あ、それ大体知ってる」という方でも、実写の場合は撮影の時に使われるフォーマット(メディア)によっては1280×1080@59.94iであったりすることや、編集時に取り扱うフォーマットが1280×1080@59.94iであったりすることはあまり知られてはいないようです。
※1920×1080@59.94iで撮像できるとしても、CCDやCMOSが1チップならば、ベイヤ配列なので補完が入っています。また、YUV4:4:4記録でなければ補完が…と理解すればするほど定義しづらくなります。
参考:
インターレース処理とは
YUVのサンプリング種類

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では、ブルーレイなどの1920×1080@59.94p(1080p)規格を表示しているコンテンツはどうなのか?と問われることがあります。確かに解像度は満たしているかもしれませんが、映画はフィルムなので24fなのです
最近でこそ、パネルを24 or 48Hz駆動して擬似的に1920×1080@24 or 48p(≒23.98p)で表示させる技術もあるようですが、それこそ、1920×1080@59.94iでもi/p変換(3:2プルダウンの可逆)が完全に出来れば理論上は1080iでも表示能力は変わらないはずです。
RGB4:4:4 1920×1080@59.94p(これぞ伝送におけるフルスペック・ハイビジョンです)はPS3の様なゲームかCGでないと実現が出来ないのです。

「フルスペック・ハイビジョン」のFPDに「フル・ハイビジョン」の映像を!という文句が家電店に行くと蔓延していますが、記号化された文字に騙されてはいけません、表示解像度が全てではないので注意が必要です