ブルー・オンリィとSMPTE・BETACAMコンポーネントレベル | 音響・映像・電気設備が好き

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昨年、民生用映像ケーブルにBNCを取り付けるという記事にきのこさんが残したSMPTE・BETACAMコンポーネントレベルについてのコメント内容をまとめます。

業務用映像モニタにはブルー・オンリィという機能があります。
これは、モニタに表示させる色のRGB三原色のうち、ブルー成分のみ表示をさせるという機能です。
SMPTEカラーバを表示させ、ブルー・オンリィさせるとクロマレベルが目視で調整できるのと、コンポジットやY/C分離信号ならばフェーズ(位相)が確認できることは映像に関わっている方なら常識のはずです。
参考:ayato@web テレビデザインの基礎知識 12
ayato@webさんの説明は逸品です。

SMPTEカラーバ

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ブルー・オンリィ状態

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PVM-9040でも非公式ながらブルー・オンリィは可能です。

近年、D端子なるものが出てきて、コンポーネント接続は身近になっていますが、業務用にはBETACAMレベルコンポーネント信号というものもあります。
両者の信号レベルの違いは以下です。

コンポーネント信号規格

D端子・RCA×3・BNC×3(EIAJ CP-4120/EBUN10/SMPTE)
Y +700mV
Pb,Pr ±350mV

BNC×3 Betacam(SONY)
Y +714.3mV
Cb,Cr ±466.65mV
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PVM-9045QやBVM-9045QDなどはコンポーネントレベルの切り替えが可能。
※実はPanasonic MⅡレベルコンポーネント信号なるものもあるのですが、省略です…。MⅡ触ったことないです…(バブリーな頃の設備には導入されていたので、見たことはある)

さて、問題になるのは、SONYがその昔生産していた業務用CRTモニタのコンポーネント入力はBETACAMレベルであり、ここにSMPTEレベルであるD端子を入力するとレベルの不一致が起こってしまうということです。※近年のモニタは切り替えが可能

しかし、レベルの不一致と言っても、要は輝度信号が14.3mV、クロマ信号が116.65mV違うだけなので、これは、先に紹介したSMPTEカラーバを入力しブルー・オンリィで調整することで一応表示することが可能です。※きのこさんのコメントはこの部分をさしています。

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先日、2001年製のPVM-9045Qを購入した(さてCRTの9インチ購入何台目でしょう?)ので、メカニカルスイッチタイプSMPTE←→BETACAM切り替えを体感したのですが、どうやら単純に抵抗が切り替わっているだけのようですね…。(回路を調べてはいません)

そして、SDからHDに変わり、色空間がITU-R BT.601からITU-R BT.709に変わったりしていますが、このあたりの話を理解している方が世の中にどれほどいるのでしょうか…。