ブラックバースト信号と複合同期信号の違い | 音響・映像・電気設備が好き

音響・映像・電気設備が好き

「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

映像設備で、なくてはならないのが、同期(Sync)です。
同期について簡潔に述べます。
※映像設備目線の記述で、リニア編集を筆者は知りません。いつもの通り、勘違いがありましたらご指摘お願いいたします。

3種類の同期信号

映像信号において、同期をするために必要な信号は大まかに3つに分けられます。

・ブラック・バースト信号
・複合同期信号
・タイムコード

タイムコードは今回割愛し、ブラック・バースト信号と複合同期信号を説明していきます。

ブラック・バースト信号

ブラック・バースト信号です。
BLACK BURST SIGNALのスペルを略して、BB(ビービー)信号やBBSなどと呼ばれています。
一般的には「黒い映像」と認識されていると思いますが、正確には、
「カラー・バースト信号を持った、映像レベルが黒の信号」です。
後半でも述べますが、黒映像=ブラック・バースト信号と覚えるのは得策ではありません。

※カラーバースト信号については、こちらにまとめてあるので参考にして下さい。
ウェーブフォームモニタ上の輝度信号と色信号

イメージ 1
略図で示すとこんな感じです。
※黒い塗りつぶしのような状態になっている部分がカラー・バースト信号です。一般的にはカラー・バースト信号は単に「バースト信号」と記載されることが多いです。

ブラック・バースト信号は映像信号の規格です。
したがって、同期信号を含め、140IRE(1.0Vp-p)以内に収まっていなければいけません。
ですが、140IREという数値は、白100%を最大振幅としているので、映像信号が黒の場合は、以下のような振幅電圧になります。
イメージ 2
図から、ブラック・バースト信号の最大振幅は

140IRE=1.0Vp-p

ですので

60IRE=0.429Vp-p

ということが理解できると思います。
参考:ベクトルスコープを描いてみる

取扱説明書などで「BB信号=0.45Vp-p」「BB信号=0.43Vp-p」と記載されているのは、この60IREに由来するものです。

ブラック・バースト信号は以下のような別名があります。

・ゲン・ロック(GEN LOCK)
・リファレンス(REFERENCE or REF)
・シンク(SYNC)

また、映像信号の規格なので、コンポジットの映像分配器で分配をすることが可能です。

複合同期信号

複合同期信号(コンポジット・シンク)です。
COMPOSITE SYNCを略してCSやC-Syncなどと呼ばれます。

イメージ 3
ブラック・バースト信号と何が違うのか?と疑問に思われるかもしれませんが、より詳しく正確に説明すると、複合同期信号にカラー・バースト信号が乗ったものがブラックバースト信号なのです。
したがって、複合同期信号にカラー・バースト信号はありません
※映像モニタに表示させると黒い映像なので、ブラック・バースト信号と勘違いする方が多いみたいです…。

さて、この複合同期信号ですが、振幅レベルは40IRE(0.286Vp-p)と単体の信号として扱うには電圧差が微小なので、このスレッショルドをTTLレベル(約5V)まで高めたものが、「TTLレベル 複合同期信号」と呼ばれるものです。
※カラー・バースト信号を除外し、同期信号だけにすれば単純な矩形波(パルス信号)になる。
イメージ 4

この場合、映像信号の規格ではありませんので75Ω終端は不要ですし、また、映像モニタなどに接続するのも避けた方が良いでしょう。

※TTLレベルの意味が良く分からなくて、その昔理解に苦しみました…。
※集合的にはブラック・バースト信号は、複合同期信号に含まれるのですが、映像設備ではBBとCSは明確に区別されていますので、それぞれ別物と理解した方が良いと思います。
…なんて言って間違えていたらごめんなさい…だって独学だし……(フェードアウト)