SONY PVM-9040画像・画質調整の仕方 | 音響・映像・電気設備が好き

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SONY PVM-9040(PVM9040)の画像・画質調整方法です。

PVM-9041、PVM-9042、PVM-9044Q、PVM-9045Q、BVM-9044QD、BVM-9045QD…なども同じ基板、もしくは同系統の基板かと思われますので、応用が利くかもしれません。
筆者は、あいにく細かく説明できる知識と経験を持ち合わせていないので、詳細な画質調整は省きます。(その昔、一度だけCRT調整の指導を受けました。)

ソニーのブラウン管(トリニトロン)9インチは現在では製造されていませんが、需要は未だにあるようで、中古機材屋では入荷から売り切れまでのサイクルが非常に早いです。(自分も9インチを3台所有しています。)
ですので、今回記載する情報を探している方がきっといるはずですので、お役に立てれば幸いです。
※筆者もその一人でしたが、ネットを探しても欲しい情報がなかったので結局、自分で調べました。

この話の主たる目的は、CRTの画像表示サイズ・画像表示位置の調整です。

はじめに

CRTは非常に高電圧な部分を持った機器ですので分解は自己責任でお願いいたします。
電気の知識がない方や自信のない方は控えましょう。

作業方法

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これがSONY PVM-9040です。オークションで購入しました。
フォーカス、コンバージェンスも素晴らしく、焼きつきもなし。つまみ類はデフォルトでOKという、非常に状態の良いものでした。
※経年変化のせいか、画像表示位置が微妙にズレていましたが、調整範囲内でした。

はじめて触ったSONY CRT9インチがこの型番なので、個人的に結構思い入れのあるモニタです。

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写真の赤いネジを外します。同様に反対側も外します。

イメージ 3
ネジを外すとブラウン管を取り囲んでいる筐体の一部が外れます。
写真の赤く囲われた部分には絶対触れないで下さい。最悪の場合、死に至る危険があります。
※筆者はCRTで感電したことはありませんが、人生で2度感電を経験しています。…生きた心地がしませんよ…。
スクリーン、フォーカス調整はこの赤く囲われた部分にあります。(高圧部分がどこなのかを知っている人には説明不要だと思いますが…逆にスクリーン・フォーカス調整ツマミがどこにあるか分からない人はスクリーン、フォーカス調整はあきらめた方が方が良いです。※一般的なCRTモニタは、スクリーン、フォーカス調整が、分解せずに出来ますが、このソニー9インチシリーズは出来ません。)

基本的に、画質調整はパターンジェネレータでグレースケールなどを表示させて行い、画像調整はクロスハッチやモノスコを表示させて行います。
※今回は、「アニメお道具箱のねこまたやさん」のモノスコをDVstorm-RT経由で表示させて調整をしています。クロスハッチは使用していません。(といいますか、水平解像度250TVのSD9インチでゆがみを気にする人は希少でしょう。)

画質・画像調整

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本体右側面基板です。
ここでは、

B-GAIN ブルー・ゲイン
G-GAIN グリーン・ゲイン
G-C/O グリーン・カットオフ
SUB PIX サブ・ピクチャ(PVM-9040では省かれています)
SUB HUE サブ・色相
SUB COL サブ・彩度(PVM-9040では省かれています)
SUB SHARP サブ・シャープネス
SUB BRT サブ・ブライトネス

が調整できます。
前面の調整つまみを回しきらないと適正な画質にならない場合は、サブで無理やり合わせましょう。
(もっとも、そんな状態になっているとすれば、どこかがくたびれているわけですが…)

今回こちらに関してはブルー・オンリィが出来ないことも合わせ、一切触る必要がなかったので詳細は省きます(笑)

※カラーバを使用したモニタの色調整は、ayatoさんのWebページで非常にわかりやすく紹介されています。
SMPTEカラーバーによるNTSCモニタ調整
http://www.ayatoweb.com/tv_design/tvd12.html

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本体左側面基板です。
ここでは、

V.CENTER 垂直位置を調整する
BOW  ゆがみを調整する
V.ANG 傾きを調整する
PIN AMP 糸巻きゆがみを調整する
V.SIZE 高さを調整する
H.SIZE 幅を調整する
VIDEO PHASE 水平位置を調整する
V.LIN 垂直のゆがみを調整する
PIN PHASE 台形ゆがみを調整する
U/V SIZE アンダースキャン時の高さを調整する(PVM-9040では省かれています)
U/H SIZE アンダースキャン時の幅を調整する(PVM-9040では省かれています)

が調整できます。
図で説明すると下記のようになります。
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上記の調整は、基本的には高周波用調整マイナスドライバで行いますが、今回は用意が出来なかったので、メガネ用のドライバを使用しました。

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メガネ用ドライバ。一応絶縁タイプ。

上記の調整により、PVM-9040はアンダースキャンが省かれたモデルであるのにもかかわらず、常時アンダースキャンにしたり、常時0%スキャンにすることが可能です。(※通常CRTは80~92%くらいしか表示されていない。)
もし、画像表示位置がズレているだけでジャンク扱になっているSONYの9インチCRTがありましたら、上記の方法で復活させてあげてはいかがでしょうか?…でも感電には本当に注意してくださいね…気がつくと、持っていたドライバはいつの間にか15mほど遠くにふっとんでいますから…。

おまけ

参考までに…
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0%スキャン。

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3%オーバスキャン。

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こちらはSHARPのAQUOS(アクオス)にSDを表示させたもの。

液晶では3%オーバスキャンがスタンダードなので、こういったCRTモニタもそれに合わせられるのは便利ですね。(さすが業務用!!)