設備としてはNGですが、例えばデジカメの映像出力を利用した簡易的な送出だとか、業務用モニタのコンポーネント入力(YPbPr・YCbCr・Y R-Y B-Y)に確認用としてDVDプレーヤを繋ぎたい(※モニタの設定を変更する必要あり。詳細は一番最後。)だとかで、どうしても民生用映像ケーブルのRCAアウトがBNCだったら楽なのに…でも変換プラグを常時使うのはナンセンス…なんて思う時があるでしょう。そんな時に役に立つかもしれませんので「民生用映像ケーブルにBNCを取り付ける方法」を情報としてここに残します。
※機種依存コネクタ→RCAピン・ケーブルのRCAピンをBNCに置き換えることが可能ってことです。
※機種依存コネクタ→RCAピン・ケーブルのRCAピンをBNCに置き換えることが可能ってことです。
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/holycater/b8/00/j/o0423037414425579798.jpg?caw=800)
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/holycater/ca/ef/j/o0560027714425579806.jpg?caw=800)
今回の加工に使用するケーブルはJVCのD端子→RCA×3のコンポーネント変換ケーブルです。(制御線3本はカットされている)
まず、大前提として、加工するBNCは1.5C用のCANARE BCP-C1を使用します。
従って、ケーブルの径が1.5C相当でないと加工ができません。
※1.5Cの寸法は、外径Φ2.9mm、絶縁体Φ1.6mm、心線Φ0.27mm(注:ヨリ線ですが、mm表示)
※BCP-C1を取り付けるには圧着工具が必要です。工具は少し高価に思えるかもしれませんが、ケーブル加工の幅が広がるのでオススメです。
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/holycater/ae/53/j/o0341031114425579835.jpg?caw=800)
2.ケーブルの内部構造を確認します。
民生用の1.5C相当の映像ケーブルの構造は主に下記の三種類に分かれます。
※中心からの構造
・「心線」「絶縁体」「編組」「シース」
・「心線」「絶縁体」「アルミラップ」「編組」「シース」
・「心線」「絶縁体」「編組」「アルミラップ」「シース」
その他、D端子ケーブルなどアルミラップのみでシースが存在しないものもありますが、その場合は熱収縮チューブでシースを作ってしまえばOKです。また、シース厚が足りない場合も同様の処理をします。
写真の構造は、「心線」「絶縁体」「編組」「アルミラップ」「シース」となっています。
※シースは珍しくチューブはめ込みタイプ。
※シースは珍しくチューブはめ込みタイプ。
![イメージ 5](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/holycater/92/cd/j/o0560034214425579855.jpg?caw=800)
3.忘れない様に先にケーブルブーツ、圧着スリーブを通します。
![イメージ 6](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/holycater/10/ff/j/o0398037414425579864.jpg?caw=800)
4.シースを剥ぎ取ります。(※先端から11mm)
![イメージ 7](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/holycater/48/6f/j/o0560037414425579876.jpg?caw=800)
5.絶縁体を剥ぎ取ります。(※先端から3.5mm)
※あれっ?このケーブル、絶縁体とシースのカラーが不一致ですよ!!どれが正しいのかわからなくなったので調べてみたらシースの配色が正解でした…。
![イメージ 8](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/holycater/d8/90/j/o0560037414425579886.jpg?caw=800)
6.心線を中心コンタクトにハンダ付けします。
![イメージ 9](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/holycater/9d/07/j/o0560037414425579902.jpg?caw=800)
7.編組を写真のように織り込みます。L-1.5C2VSでは豊富だった編組も、民生用の1.5C相当ケーブルではわずかですので、圧着のカサを増やすためにできる限り織り込みます。
これがこの加工の最大の難所ですので丁寧に行ってください。
※編組の量がものすごく薄い場合は、シースをより深く剥ぎ取り、編組のカサを増やしてください。
![イメージ 10](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/holycater/55/1b/j/o0560031314425579921.jpg?caw=800)
8.編組を詰め込んだら、圧着スリーブをはめ込み圧着します。
![イメージ 11](https://stat.ameba.jp/user_images/20190604/16/holycater/7e/54/j/o0410037414425579942.jpg?caw=800)
9.ケーブルブーツをはめ込めば完成です!
※繰り返しますが、1.5C相当の民生用映像ケーブルにBCP-C1を取り付けることは設備としてはNGですので誤解なさらぬよう…。個人用途や会社内使用ならOK。
CANARE BCJ-RUC1製作方法でも紹介しましたが、BNCレセプタクルも同様の加工が可能です。
BNC×3 Betacam(SONY)
Y +714.3mV
Cb,Cr ±466.65mV
Y +714.3mV
Cb,Cr ±466.65mV
民生用SD映像コンポーネント信号を業務用モニタに繋げる場合は、モニタの設定を変更する必要があります。
※参考までに実機の実例
・SONY LMD-9020の場合 マトリクスをSD映像なら「601」(※HD映像なら「709」)コンポーネントレベルを「SMPTE」に設定
※601=ITU-R BT.601、709=ITU-R BT.709
・SONY BVM-9045QD/PVM-9045Qの場合 背面「COMPONENT LEVEL」スイッチを「N10/SMPTE」に切り替える。
・Panasonic TM-1490BTの場合 コンポーネントレベルを「SMPTE」に設定
※参考までに実機の実例
・SONY LMD-9020の場合 マトリクスをSD映像なら「601」(※HD映像なら「709」)コンポーネントレベルを「SMPTE」に設定
※601=ITU-R BT.601、709=ITU-R BT.709
・SONY BVM-9045QD/PVM-9045Qの場合 背面「COMPONENT LEVEL」スイッチを「N10/SMPTE」に切り替える。
・Panasonic TM-1490BTの場合 コンポーネントレベルを「SMPTE」に設定
近年のマルチフォーマットモニタでは設定を詰めれば問題ありませんが、古い機種やデッキのSD映像コンポーネント入力では色が正しく表示されない場合があります。業務用コンポーネントは「BETACAM基準」、民生用コンポーネントは「EBUN10/SMPTE基準」です。
参考リンク:
参考リンク:
まぁ民生用SD映像コンポーネント出力→業務用SD映像コンポーネント入力は映っていれば良い程度に考えてください…。
※HD映像だと民生・業務の両者は同じです。
※HD映像だと民生・業務の両者は同じです。
※きのこさんご指摘ありがとうございました。勉強になりました。