音響・映像・電気設備が好き

音響・映像・電気設備が好き

「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

Blackmagic Design Fairlight LiveでDolby ATMOSバイノーラル再生をする話です。

前情報として下記をご覧ください。

 

Blog内リンク:

 

 

 

Dolby Reference Playerは販売されるようになりました。

 

Dolby Reference Player公式ストアリンク:

https://professionalstore.dolby.com/product/dolby-reference-player/01tQQ00000LRkYvYAL

 

 

2026年4月、Blackmagic Designからフリーのソフトウェアミキサ Fairlight Liveが発表されました。元々はDaVinci Resolveに内包されていたオーディオミキサ機能であるFairlightが独立アプリケーションになった形です。実際に動作させてみると、これが無料とは信じられませんね・・・。SMPTE ST2110での接続を想定していますが、ASIOオーディオデバイスを接続することも可能で、従って仮想ASIOでマルチチャンネルが可能なVB-Audio MATRIXを使用するとマルチチャンネルI/Oが可能なソフトウェアミキサになります。

アンビソニックスは5次オーダでこれは36ch BUSで、世にあるソフトウェアミキサの中では最上位です。

 

以前、「実機がなければできない事」をひとつでも解消したい。とアナログミキサシミュレータを作成しましたが、Fairlight Liveはデジタルミキサシミュレータとして完全に機能します。

 

Blog内リンク:

 

 

 

 

Windows PC内でDolby ATMOS 9.1.6chをバイノーラル再生するの記事のうち、9.1.6chのバイノーラル変換をFairlight Liveに担わせる形を取ります。

Fairlight Liveは現行のデジタルミキサの操作方法を踏襲していますのでサーフェス部分に関してはだいたい触れると思いますが、チャンネルルーティングがかなり特殊で、特にバイノーラルで送出を行う難易度はそこそこ高かったです。

 

 

Control Room出力をMonitoring SettingでStereo設定にし、表の設定でBinauralにする

 

 

パンニングは球面配置の3Dモードで行うと360°パンニングが可能となる

 

 

実際のバイノーラルパンニング。ヘッドフォン推奨

 

 

実際にDolby ATMOS 9.1.6ch再生を行っている様子

 

 

バイノーラル映画館

 

 

こんなのが無料で提供される環境が当たり前の世代がいるわけです。今の専門学校は本当に大変でしょうね・・・好きには勝てない。

ご興味ある方はぜひバイノーラルミックスしてみてください。

以前書いた記事を参照します。

 

 

 

消防予第282号 消防用設備等の試験基準の全部改正について

作動試験    スピーカー
試験方法    定格出力により音声警報音の第2シグナルを鳴動させた状態において、音響装置(取り付けられた状態) の中心から1m離れた位置で騒音計(A特性) を用いて音圧を測定する。
合否の判定基準    スピーカーの音圧は、L級で92dB以上、M級で87dB以上、S級で84dB以上であること。


 

こちらの「第2シグナル」とは何でしょうか?定義は下記になります。

 

https://www.fdma.go.jp/laws/kokuji/assets/s48_kokuzi6.pdf

 

非常警報設備の基準

第四 放送設備の構造及び性能
三 放送設備の音声警報音は、次に定めるところによる。
(一) 音声警報音は、シグナル及びメッセージにより構成するものであること。
(二) シグナルは、次によること。
イ 基本波形は、一周期に対する立ち上がり時間の比が〇・二以下ののこぎり波であること。
ロ 第一音にあつては七百四十ヘルツの〇・五秒間の単音、第二音にあつては四百九十四ヘルツの〇・五秒間の単音、第三音にあつては三百ヘルツから二キロヘルツまでの〇・五秒間のスイープ音であること。
ハ エンベロープは、第一音及び第二音については立ち上がり時間〇・一秒及び立ち下がり時間〇・四秒の波形とし、第三音については矩形波とすること。
ニ 第一シグナルは、第一音、第二音の順に連続して警報するシグナルを一単位として、これを連続して三回繰り返したものであること。
ホ 第二シグナルは、第三音、〇・五秒間の無音状態、第三音、〇・五秒間の無音状態、第三音、一・五秒間の無音状態の順に連続するシグナルを一単位として、これを連続して三回繰り返したものであること。

 

 

法律の記述って読みにくいですよね・・・要約すると、

 

基本波形は、一周期に対する立ち上がり時間の比が0.2以下ののこぎり波

第1音 740Hz 0.5秒 エンベローブ立ち上がり0.1秒、立下り0.4秒

第2音 494Hz 0.5秒 エンベローブ立ち上がり0.1秒、立下り0.4秒

第3音 300Hz~2kHz SWEEP 0.5秒 エンベローブなし

 

第1シグナルは、第1音、第2音連続を一単位として、3回繰り返す
第2シグナルは、第3音、0.5秒間の無音、の3回繰り返しを一単位として、3回繰り返す

 

以上です。

 

というわけで、Cycling'74 Max9でパッチを作ってみます。

 

 

 

 

 

 実際の動作状態

 

 

ドライすぎるのでリバーブを足すとそれっぽくなる
 

 

Panasonicの音源を持っているのですが、どう聞いてもテープのワウがあるのでその感じも加えてみた音源もジェネレートできるようにしました。

 

非常放送点検でこの第2シグナルをずっとループしてスピーカを1台1台騒音計で音圧を測る・・・のが正しいとしても稼働中の客先でそれはさすがに事実上不可能に近いので、様々な工夫で点検をこなすのが一般的の様です。

USB Type-C 1本でどこまでの事が出来るのだろうか?と市販品を購入し試した結果、どうやらWindowsであれば複数のディスプレイに出力が可能ということが分かりました。その顛末をなんとなくまとめた記事です。

 

当初は、漠然とUSB Type-C DP alt Mode + PD電源供給環境を求めていました。机上にUSB Type-Cが1本だけ出ており、そこにノートPCをつないでHDMI出力や電源供給など様々な要求を達成する構想です。安価なモデルとしてあるADTEC APD-V074AC2Hは給電能力が65Wでこれでは起動中のパナソニックのノートPCへ電源供給ができないため選考落ちしました。実際に2台買って試験をしてみましたが、起動中に充電が機能しないのでは問題外ですので、PD電源供給は100Wが最低ラインと分かりました。

 

 

ADTEC APD-V074AC2H。USB Type-C DP alt Modeで4K 30Pまでの出力が可能。安価で良いが給電能力の低さが問題となった

 

 

他のType-Cドックが無いものかと探していたところ、別件で3画面マルチを組みたいと相談を受け、DisplayPortで接続すると4画面までデイジーチェーンが可能らしいですよと情報をもらいました。試しに、HPのミニPCのDisplayPort出力でHPのモニタ3台をDPデイジーチェーンでつないだところ、問題なく画面が出力されました。(HDMI → DisplayPort変換はNG)これはどういう仕組みなのか・・・と調べたところ、DisplayPortにはマルチストリームトランスポート(MST)機能があることが分かりました。これはグラフィックスカード(ビデオボード)依存ではあるものの、決まった帯域幅の中であればDisplayPort 1本でデイジーチェーン(モニタに専用の出力ポートがある)またはスプリット(DisplayPort 1 in to n out製品がある)でマルチ画面の構成が可能なのです。※但し、DP MSTはMac非対応でセカンドモニタ以降はミラーリング扱いとなるようです。

 

DisplayPortにマルチ画面対応のMSTがあるならば、USB Type-Cコネクタの別レーンを使いDisplayPortを出力するDP alt Modeでもその機能は引き継がれるはずだ!と思いあたり対応製品を探すことにしました。

 

こちらが求める仕様要求は以下です。

  • USB Type-C PD 100Wの電源供給
  • USB Type-C DP alt Modeで2画面構成
  • ついでにイーサネットのRJ45
  • USB HUB機能
 

それでは行ってみましょう。

 

j5create USB Type-C ドック デュアル
Type-C 140W給電、DP alt ModeでHDMI 4K60p 1画面+HDMI Trigger 6 External Graphics 1画面出力で4K30p、電源供給は別途Type-C

 

 

残念!!セカンドモニタはUSBディスプレイ

 

 

こちらが求めるものはディスプレイアダプタがひとつとして認識するもの

 

 

j5createの製品は一見良さそうに見えましたが、HDMI出力2つのうち、1つがUSBディスプレイでした。USBディスプレイはDisplayLinkが有名ですがこれはTrigger 6 External Graphicsというもので別途ドライバを必要とするディスプレイ出力です。DisplayLink同様、ドライバはオンラインのWindowsであれば自動で当たる様でした。うーん、残念!給電が別途必要ということも後々面倒だなと思うようになりました。何せ、100W以上を供給可能なUSB Type-C PD給電機が高価なのです。(本体や他のUSBポートでも電源を使う為、140Wくらいの電源供給が必要となる)

 

 

次!!

 

 

Anker Prime ドッキングステーションA83B65A1
Type-C 100W給電、DP alt Modeで4K60p HDMI×2画面出力、AC直出し

 

 

はい、大正解です!

  • USB Type-C PD 100Wの電源供給
  • USB Type-C DP alt Modeで2画面構成
  • イーサネットのRJ45
  • USB HUB機能
  • AC電源直結

 

文句ありません。もうこれでいいや、と思いました。前面に電源供給のみを行えるUSBポートがあることもGoodです。現在5台を運用中です。

 

まてよ・・・2画面があるのなら、3画面もあるのでは・・・??と探してみると・・・

 

UGREEN Revodok Pro 314

Type-C 100W給電、DP alt ModeでHDMI×2(最大4K@60Hz)、DP×1(最大8K@30Hz/4K@120Hz)の3画面出力、ACアダプタ接続

 

 

あった!!!!!!!!ディスプレイアダプタ1に対して3画面出力です!!凄いな・・・。これ、3画面っていってますが、ノートPCの画面を含めると合計4画面ですからね。

※購入はしていませんがAnkerにも同様に3画面出力が可能な製品がありましたが、そちらは商品説明に3画面目はDisplayLinkと記載されていました。書いておいてくれるのはありがたいですね。

 

 

「デスクトップを1と2に複製する」ではディスプレイは2つしか認識していないが・・・

 

 

「デスクトップをこのディスプレイに拡張する」を実行するとノートPCのモニタを含め4画面認識する。この際、ディスプレイアダプタは1、つまりグラフィックカードのみで4画面出力を行っている

 

 

仕様は以下です。

  • USB Type-C PD 100Wの電源供給
  • USB Type-C DP alt Modeで3画面構成
  • イーサネットのRJ45
  • USB HUB機能
  • ACアダプタ電源供給

 

探せばあるもんなんですね・・・。以上の話は冒頭の通り、DisplayPort MST機能を知らなければ考えに至りませんでした。ここまでの機能をUSB Type-Cワンケーブルに載せる怖さはありますが「この使い方が当たり前の人らがお客さんとなる」事を念頭に置かなければなりません。

ついていくのが大変な世界になってきましたね・・・。あと、PDとDPって紛らわしいな。

 

防災用にいつか使ってみたかったパナソニックの明るさセンサ付ハンディホーム保安灯を施工してみました。この製品は普段は暗くなると点灯し、停電時に内蔵された蓄電池(このモデルは単三電池)で30分点灯する保安灯です。取り外すと携帯も可能です。

 

 

製品案内

 

公式Webページ:

 

 

 

 

材料の都合、WTF4088WKの代わりにWTF4088CWK(セラミックホワイト)を選択した

 

 

取り付ける壁を用意する

 

 

穴を空ける

 

 

取り付ける。このコンセントだけが残置されて、ACアダプタが刺さらない!というつぶやきを見たことがある

 

 

夜間点灯時は電球色

 

 

停電時は白色

 

 

取り外した状態

 

 

初代保安灯Panasonic WTF4012K。豆電球でニッカドバッテリィ内蔵

 

 

実際に使ってみて、これはよく考えたなぁ・・・と感じました。保安灯シリーズはかなり古く、調べると豆電球でニッカドバッテリィ内蔵の頃(WTF4012K)からある模様です。確かにこの手の製品はLEDが台頭するまでは消費電力が非効率で満足いく明るさにならなかったでしょうね。

現在の保安灯は単三電池でLED、20時間連続点灯対応です。

 

こういう製品のカタログを見るのが好きです。

NTi Audio XL2にはシネマメータ測定オプションがあります。試そうにもかなり高額かつ身近でもない為特に詳しく調べていませんでしたが、ふとしたきっかけがありシネマメータの説明書を読むと、実質的な測定を担う「スペクトラムリミットオプション」と測定手順をアシストする「シネマアシスタントオプション」の2つから構成されるとありました。これは、測定だけに限れば「スペクトラムリミットオプション」のみで可能だということです。スペクトラムリミットオプションは既に持っていますのでXカーブ測定を試してみました。尚、シネマアシスタントオプションは単体でも購入が可能です。

 

Blog内参考記事:

 

 

 

 

NTi Audio XL2 シネマメータオプションのイントロダクション。メイヤーサウンドと共同開発とある。かつては起動時にメイヤーのロゴが表示されたが今はその機能は無くなっているようだ

 

 

発表当時の記事。Wayback Machineより引用。

 

 

 

発売当時は表示されたと推測されるMeyer Soundロゴ

 

 

Xカーブについては下記に詳しい。いまは昔、アカデミーカーブといふもの有けり(こわい)

 

 

 

Xカーブ測定に必要なトレランスデータはNTiの公式サポートサイトからダウンロードできます。ただ、Multi tone Headroom test用のトレランスデータはダウンロード出来ません。シネマメータ測定オプションは間違いのない手順アシストとトレランスの組み合わせの為、どこかトレランスデータがあるはず・・・まてよ・・・とXL2のファームウェアをテキストエディタで見たら平文で記載されていました。暗号化をしている訳でもありませんし、ここで手順を公開しても別に良いでしょう。

 

 

XL2 Support PageにあるXカーブトレランスデータ。ここにシネマメータオプションで使用するトレランスデータのすべてがあるわけではない

 

 

XL2のファームウェア。冒頭にトレランスデータっぽい記述がある

 

 

1万行あたりに直接トレランスデータが記述されていることが分かる。トレランス周波数範囲は31.5 Hz~16.0 kHz

 

 

つまり、XL2 Support PageにあるXカーブトレランスデータはあくまでもスペクトラムリミットオプションを持つ方に参考で提示しているデータであり、XL2シネマメータオプションに内包されているシネマアシスタントオプションは実際はこのファームに直接書かれているトレランスデータを参照している、ということです。なるほどなるほど。

従って、XL2 Support Pageに公開されていないMulti tone Headroom testに必要な「HR_Screen」「HR_LFE」はファームウェアからトレランスデータへ変更することが可能です。(意味があるのかはおいといて・・・こんな事調べた人他にいるのだろうか?)

尚、測定に必要な音源はMR-PRO/MR2 Support Pageに公開されています。

 

 

用意できたトレランスデータ

 

 

おおまかに、SCREENは音響透過スクリーンの向こう側にあるスピーカで85dB(C)、スクリーンより前にあるサラウンドスピーカはSURRNDで82dB(C)

 

 

シートの数によってXカーブの重みが変更され、その区分は30、150、500、1000、1500、2000と規定されている

 

 

Multi tone Headroom testに必要な音声データはMR-PRO/MR2 Support Pageに公開されている

 

 

準備ができましたのでこれでNTi Audio XL2を使ったXカーブ測定が行えます。

Xカーブ測定用のピンクノイズをシネマプロセッサから各チャンネルに出力します。この際に規定されている出力レベルが-20 dBFSです。規格で目にする-20 dBFS = 85 dB(C)ですね。但し、こちらは音響透過スクリーンの向こう側にあるLCRスピーカの規定で、スクリーンより客席側にあるサラウンドスピーカは合成分をあらかじめ-3 dB差し引き、82 dB(C)と規定されています。

マイクの設置はリファレンスポジションで行います。

※手順はマニュアルに書いてありますのでシネマアシスタントが無くても十分行える範囲です。

 

注意点として、トレランスデータは1/12octでもFFT + Tolでも使用できるため、下記の組み合わせを守る必要があります。

 

1.1/12octトレランスモードで1/3octを指定し、31.5 Hz~16.0 kHzの周波数範囲使用するトレランスデータ

  • n_SCREEN_SMPTE202
  • n_SURRND_SMPTE202
  • LFE_SMPTE202

 

2.FFT + Tolで使用するトレランスデータ

  • HR_LFE
  • HR_Screen

準備ができましたらあとは測定をするだけです!

 

 

所有していないので比較は出来ていないが、シネマアシスタントを使用しない場合のデメリットとしては分解能1/3 OCTへの切り替え、トレランスカーブの指定、タイムウェイティングの設定などの設定間違いである。シネマ測定時のタイムウェイティングはマニュアルによると「FAST」と「SLOW」は選択ができないようだ
 
 

Multi tone Headroom testはXカーブとは異なり、FFTトレランスで行う。どこまでの設定範囲がトレランスカーブデータに含まれているのか初見では判断できない(表示帯域、送りページ数などが含まれている)

 

 

実際の測定状態。キャプチャ用に電気音響のみで接続している

 

 

動画。トレランス測定の合否判定が色で分かる

 

 

Multi tone Headroom testを行っている画面。システムの歪を測定する為に使用する

 

 

以上でNTi Audio XL2でのXカーブ測定は終了ですが、他にもXカーブ測定が可能な手法はありますので紹介します。

 

 

AcoustX--win|RTAで行うXカーブ測定。シングルチャンネルであればフリーで試すことが出来る

 

 

AcoustX--win|RTA公式ページ

 

 

 

 

Rational Acoustics Smaartで行えるXカーブ測定

 

 

Rational Acoustics SmaartでもXカーブトレランスは標準で備わっています。但し、シート数に応じての減衰は含まれていませんので500シート以外の場合は手動でカーブを作成する必要があります。

 

 なかなか身近にない映画館の測定。仕事でも定期的にミニシアターの施工や音響調整は携わっていますのでもっと勉強しないとなりませんね。知らないことばかりです・・・。

 

 

おまけ

 

 

 

 

なぜ本記事を書いたかというと、@magicarchtec さんが映画館の音響測定に興味を持ち、規格を調べ調査し、実際に自分で劇場を借りて測定を行う会を実施したからです。

当日、お手伝いで参加してきました。狂気の規格のまとめは以下。これの為にSMPTE会員になったとの事です・・・・・・・。