こんにちは。
先週の日記に書きました「梨地の鉈」
あれが、佐治武士の鉈の最後の購入のはずでした。
そしてそのブログをあげた2時間後、
庭で障子の張り替えをしていた私に荷物が届きました。
なにかを買った記憶がない私はハテナ?でいっぱい。
受取りそれを開封して更に首を傾げしました(・・?
届いた物は、伝統工芸士・佐治武士作【カムイ】でした。
カムイとは神居「神が居られる」・神威「神の威厳」を表す言葉です。
このカムイは、佐治武士作の中で唯一の【逆反り刃】の剣鉈で、
系統で言うとウナギ鉈(ツル切り鉈)の剣鉈verです。
剣鉈の中ではかなり珍しい形ですね。
すこし言いたいのはククリ型の剣鉈とは少し違うという事です。
うなぎ鉈系剣鉈とククリ系剣鉈は、両方ともツル切りに向いていますが、その他の指向性が変わってきます。
話が脱線しますので、今回のブツを。
佐治武士作 カムイ(磨)・(大) 刃長8寸3分.250㎜
最大刃幅45㎜・最大厚6㎜・重量490g
(大)・刃長240mm/8寸 (中)・刃長225mm/7.5寸 (小)・刃長210mm/7寸の3サイズが基本ですが、
やや長めの刃長で作られるのが通例だったようです。
そのほかにも1尺300㎜の特別品のカムイも在ったみたいですね。
20年くらい前の販売サイトの価格を見ると苦笑するほど安い。。
なかには255・225・220と記載のサイトもありますが、225の次が220ってのは変ですよね。
振った感じですと、ベスト長は230㎜くらいに感じるバランスなので(中)サイズが最良かと思います。
逆反り刃を活かすには重量威力よりも速度切味が肝要ですもんね、たぶん。
この250㎜でも見た目よりは軽い振り心地には感じましたが。
「磨き」と「黒打ち」がありますが、私個人としてはこの手の品は磨きの方が好みです。
普段は断然に「黒打ち派」なのですが、このような墨流しの刃物では磨きの方が映えると思います。
ちなみに以前に買った佐治武士作【渓流刀】は表面全てが墨流しでしたが、このカムイは切刃のみ墨流しですね。
佐治武士おなじみの黒い箱
●そして今回この身に覚えのないカムイが届いた理由ですが、
毎年11月から晩酌に日本酒を飲むようになるからだと思います。
4月~10月はビール4.5本、11月からはビール1本+日本酒2~3合。
最近お酒に弱くなった自覚はあったので、
そこに久しぶりの日本酒で記憶を完全に喪失したのでしょう。
いまだにスマホを持っていない私はインターネットに接する時間が短く、ズボラなので意識していないと気づかない事が多くありましたが余りに不覚。
月初からこんなに値が張る物を買いやがって、酔った私め!!
記憶喪失よりこれを買った愚考と愚行が問題です。
素面の時の私では絶対に買わない品。
まあ、諦めて購入を受け入れるしか無いのですがね。
佐治武士作って見目麗しいので使う事が憚られ、扱いに困りますよね。
だれか山友.鉈友の誕生日プレゼントに使おっかな(・_・;)
今回のことで、飲酒と刃物の購入をすこし控えようと真剣に思いました。
『趣味はあったほうがいい。しかし傾倒してはいけない。』と、好きな小説家の先生が仰っておりました。
その言葉に納得していたのに、記憶にない物が届いた事は本当にショックでした。
今までは酔っぱらって買っても覚えてたのに。
べつに最終回ではありませんが、当分いまある刃物のメンテナンスに注力しようと思い、1年以上.週一で書いていた鉈日記はお休みにしようと思います。
たぶんウチに1000本近くの鉈がへたするとあると思うので、
知識が無いのに目につく物を買いまくっていた頃の鉈を、だいぶ貯まってきた知識と経験で掘り返したいと思います。
たぶん全然見覚えがない鉈もけっこうあるんじゃないかしら(-_-;)
それをメンテナンスしつつ気になる事・気づいた事があった時にまた日記に書きたいと思います。
今までこの鉈日記を毎週読んでくれた奇特な方、本当にありがとうございました。





