Golden Weekの期に、般若心經の英訳を少しずつ掲載始めます | 異文化交差点

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般若心經に私の心は救われました。

 

約15年前、私は、山梨県都留市の谷村町駅から歩いてすぐの所にある龍石寺に詣でました。その理由は、私の経済状況がひっ迫していて、明日は自己破産かという状態で、私の精神が乱れていたため、友人から勧められて、龍石寺を訪問し、ご住職さんにご祈祷して頂いたのです

 

その時、ご住職さんは、般若心經を唱えていました。色不異空、空不異色、色即是空、空即是色・・・羯諦、羯諦、波羅羯諦・・・が耳に入り、なんだろうこのお経は、と思い、ご祈祷が終わった時に、その事をご住職さんに聞いたら、般若心經だと教えてくれました。もちろん、それ以外も読経して下さいました

 

ご祈祷の効果はすぐに現れませんでした。しかし、腹が座りました。帰りがてら、「よし自己破産しよう」と決意する事ができました。家で待っていた妻に、その事を言い、覚悟して貰いました。娘には家から出て自立するように言い、家で療養していた妻の母には、介護施設に行ってくれるようにお願いし、その手続きも終了し、自己破産に向けて、無料法律相談をインターネットで見つけて、まだ30代の若い男性弁護士に会いました

 

私の話を聞いたら、その弁護士は、「なにあなたの場合は、そんなに苦労せずとも、自己破産できますよ。良ければ30万円を払って下さい。すぐに手続きに入りますので」と言ったのです。彼は、自己破産する人間が生きるか死ぬかの精神的苦痛を抱えている状態を全く斟酌せずに、「簡単にできますよ、30万円で済むと思いますから」なんて言い草はありません

 

私は、「その30万円が用意できないほど金銭的な限界に来ているんです。何ですか、その言い草は」と言って、その事務所を出ました。弁護士がいっぺんで嫌いになりました。「苦労を知らない兄ちゃんだ」と思って帰宅し、妻に言いました。「弁護士はあてにならないから、債権者に連絡して、俺を提訴してくれるように頼むよ。そうすれば、裁判所で自己破産に追い込まれるだろうし、若僧の弁護士に30万円を払う必要もない」。それを了承してくれたので、私は債権8社に連絡をし、提訴してくれ、と懇願しました

 

すると驚いたことに、少しずつでも返済できないか、と全社が言うのです。「なら最初から言えよ!」と私は思いました。債権者は、債務者を精神的に追い込みます。少しずつでも良いから返済してくれなんて、彼らは口が裂けても言わない、という事がその時、良く分かりました

 

だから、私は全社と交渉し、生きるために必要なお金を差っ引いて残った金額の中から少しずつ返済することを約束し、その約定書を交わしました

 

そのすぐ後、東日本大震災が起き、妻の母親は心労でなくなり、家にいた犬も急死するし、車を手放し、住んでいた家は競売で失くし、妻は毎日泣いて、そして鬱病になりました

 

しかし、債権回収の電話が来なくなり、自由に電話が出来る状態になったため、いろんな会社から仕事の依頼が舞い込み始め、5年間で債権7社の返済が出来たのです。現在、一社のみ残っています。ここは大口債権者で、交渉する時、私の窮状を良く理解してくれて、毎月少しずつの返済を了承してくれています。恐らく、私が死ぬまで完済できないことを知っているようで、私は、このままの状態で死期を迎えるのだろう、と覚悟を決めています。もし今、仕事が入って来なくなったら、その会社に私を提訴して貰い、自己破産し、生活保護を受けるつもりでいます

 

妻の病状はあの頃と比べると、かなり良くなっています。まさか、今日のような幸せな状態になれるとは思いもしなかった、と言ってくれます

 

話しは長くなりましたが、私は、山梨県のお寺で聴いた般若心經を暗記し、毎日唱え続けています。それが私の精神を落ち着かせてくれていることが良く分かります。妻も暗記し、寝る前に私と一緒に唱えます

 

今日、風呂に入っている時、「そうだ、般若心經を英訳しよう」と思い立ちました

 

佐々木閑著『般若心經』NHKテレビテキストとひろさちや著『ひろさちやの般若心經88稿』新潮社の二つの本を参考にしながら、私の心を救ってくれた般若心經の英訳を進め、このブログに少しずつ掲載します