一日中眠いという患者さんはよくみかける
特に食後に眠いとか
夕方になると眠くなるという人が多い
先日診た患者Aさんもそのような症状を抱えている一人だ。
そういう人はたいてい慢性疲労の状態であり
頭がぼーっとしていたりして思考能力が落ちている場合が多い。
原因は様々だ
何か一つのみ問題視するともっと重要な問題を見逃してしまう事が有るから要注意だ、
上記のような症状の場合たいてい疑われるのが低血糖症だ、
特に「食後」や「空腹時」というキーワードが出てくると真っ先に疑われる
たしかに低血糖症であるケースはある程度あるようだ
そういった場合
ただ「低血糖症」という頭しかないとその他の様々な問題が大きな盲点(というか盲面!!)という
影のなかに隠れてしまう。
多くの人は広いエリアを公平に見ているわけでは無い
大抵は「点」しかみていない
そしてその「点」とは自分の専門分野という点である
では低血糖症以外で「一日中眠い」という症状がでる問題とは何があるのだろう
代表的なのは「カンジダ感染」である。
カンジダという真菌類が体内で増えすぎてしまうとカンジダが産生するアルコールやその他の毒にあてられて
脳機能が著しく低下する。
またカンジダが腸粘膜に住み着くとそこに穴をあけてしまい未消化のタンパク質が体内に侵入する。
そのタンパク質が脳へ流入すれば脳機能が落ちる。
またその未消化の分子量の大きなタンパク質を処理せねばならないという大きな負荷が肝臓にかかるので
肝臓がオーバーヒートしてしまい分解すべきアンモニアなどの血中濃度があがり意識がもうろうとする事もある。
その意識の朦朧感を眠気と感じるのである。
同じことが腸粘膜の炎症によっても起きるのだ。
いわゆるリーキガット症候群だ。
次にあげられるのはホルモン異常だ
ホルモンを分泌する内分泌器官の不具合によるものが考えられる
代表的な内分泌器官としては副腎と甲状腺である。
アドレナリンや甲状腺ホルモンが不足すると活力が停滞し意識の覚醒がおぼつかないということだ。
それらの内分泌器官の機能障害も実は原因は様々で
知られていない大きな原因の一つとして重金属中毒がある
もちろんホルモンを作るのに必要な栄養素不足が深刻な場合も多い
ミネラル、ビタミン、アミノ酸と材料がなければホルモンは作れない。
その問題とリーキガットはかなりの確率でリンクしている
次にあるのが食品不耐性、いわゆる食品アレルギーのことである。
何かを食べて眠くなるというのは食品アレルギーの一つの反応でもあるのだ。
まだまだ他にもたくさんの原因があるが長くなってしまうのでここらへんにしておこう
さてAさんの場合は上記のどれでもなく肝臓の解毒機能の異常から来ていた。
間接的な問題としてリーキガットやカンジダがあるかもしれないが矢面の問題点は肝臓機能だった。
それは機能低下というよりは機能異常で、ある一過程の解毒機能が亢進しすぎていて他の処理過程が追いつかないために自分の肝臓で製造した中間解毒物質に自己中毒している状態だった。
そのような状態で意識の覚醒レベルが低下していたということが判明した。
そいいう状態でコーヒーなどのカフェイン入りの飲料を飲んで意識を覚醒させようとしても効果が無い
効果が無いどころか状態をかえって悪化させてしまうのだ。
というのはカフェインはAさんがかかえているような肝臓の解毒機能の異常を引き起こす原因の一つなのだから。
だからそのような肝臓の治療をするときはコーヒーやお茶などのカフェイン飲料を飲むことを中止しなくてはならない。意外なところではセントジョンズワートというハーブもそのような肝臓解毒機能のバランスを崩すことがわかっている。だからセントジョンズワートを使う時はそのことを承知の上で考えて使うべきだ。
上記のような症状は歯科的問題からも引き起こされる。
その問題とは感染根感と顎骨病巣である。
感染根管とは神経が腐っている場合や、
神経を抜いて治療済みの歯の根の内面の管でばい菌が繁殖していることを指す。
顎骨病巣とは感染根管の周囲の顎骨にできる腐った骨の塊りである病巣、
あるいは抜歯痕にできる病巣のことを指す。
いずれもカダベジンとかストレプシンという毒素を出す。
その毒素は脳内の酵素を破壊する毒素であるから当然脳機能を低下させる。