そして脂肪酸のアンバランスと有害な人工脂肪酸を摂取し続けることで様々な問題が引き起こされるのです。、、
というところまで解説してきました。さて続きをお話してゆきます。
では脂肪酸のアンバランスとトランス脂肪酸摂取の問題とは何でしょうか?
問題は二つあります。一つは細胞膜の劣化、今一つは炎症傾向の問題です。
細胞膜とは細胞をとりまく膜のことです。その細胞膜の主成分は脂肪酸です。その膜の中に細胞の全てが入っています。そしてその膜を通過して全ての物は細胞内に入り、細胞から分泌されるものも全てはその膜を通して出て行くのです。
もしその細胞膜がうまく機能しないとなると外から入るべきものは十分に入って来れなくなります。入って来るものとは酸素や栄養素であります。ですから細胞に補給されるべきものが補給されなくなってしまいます。ということは細胞自体の活力が下がり、細胞内で合成されるべきものも合成されにくくなってしまうのです。
また外から入って来れないということは中からも出にくくなってしまうという事でもあります。
要するに中にはゴミが溜り、新鮮な栄養素が充分外から入ってこないので細胞自体の営みが低下するという状況に陥ります。
例えば糖分が細胞内に入れなくなると、糖分が細胞外にだぶつきます。インシュリンが充分に分泌されていても細胞膜が機能不全になれば当分は細胞膜を介して吸収できにくくなります。インシュリンが充分分泌できていても糖尿病であるというタイプ人はこの細胞膜の問題である場合があります。
トランス脂肪酸があやまって細胞膜に取り入れられてしまうと細胞膜は機能不全になります。一説によると現代人はの全脂肪酸のうちの8%はすでにトランス脂肪酸にとって代わられているのだそうです。
ですから粗悪な脂肪酸をとらない、良質な脂肪酸をとるということは細胞膜という観点から見ても重要なのです。皮膚が細胞からできている以上はその表面は細胞膜なのですから美容の為にも良質な油はとりたいものです。
しかし油も種類がいろいろあり重要なのはバランスになります。特定の油を突出してとらないようにするのが肝要です。飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のバランス。不飽和脂肪酸の中でもオメガ6という油に偏りやすいので不足しやすいオメガ3をなるべくとるようにしましょう。
オメガ6とはリノール酸のことです。リノール酸は一昔前は盛んに摂取を推奨されていた油です。しかしリノール酸を摂り過ぎると心臓病や脳梗塞や癌のリスクが高まるということが大規模な調査で明らかになっています。リノール酸過多は炎症や血液凝固を促進する「ある種のプロスタグランジン」というホルモンンの一種を増加させてしまうからです。