第1回 ~スッポン~ | 北陽塾 〜 名もなき指導者たち

北陽塾 〜 名もなき指導者たち

名もなき指導者が地方の片隅で柔道普及を叫んでます。みなさん。一緒に頑張りましょう。ここは楽しい感じで行きたいと思います。

 動物園。そこにはいろんな動物が飼育されています。

 柔道界にも個性が強く取扱いが難しい方がたくさんいます。

 そんな訳ありの方は、まるで動物のようであり、その動物をご紹介していきたいと思います。


 こんにちは。:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

 ようこそ柔道動物園へ。

 飼育係です。

 今月、紹介する動物は「スッポン」です。

 せっかく柔道をするために高校進学したのに、いつしか練習しないことが目標になり、結局3年間、楽をしてきK先輩。

 そして、それを見習ったS後輩。当園でお預かりしております。




 

 

月とスッポン
 

  ここは、とある高校柔道部。

 県大会も近くなり、他県の高校との合同合宿中。

 合宿も終盤になり心身共にピークに達しいていた昼休み

 2年生のK先輩が後輩のSに何やら指南しているようです。

 ちょっと会話を聞いてみましょう。

 

S後輩:K先輩。きついっすね。
 

K先輩:全然、きつくないよ。何で?
 

S後輩:え?すごいっすね。
 

K先輩:バカだなおまえ。練習で目立っちゃダメだよ。

     とにかく目立たないこと。それが合宿を乗り切る極意だ。
 

S後輩:目立たない?私も目立っていませんが、普通にきついですよ。
 

K先輩:言っちゃおうかな~。極意。絶対、人に言わないか?
 

S後輩:はい。命に代えてでも言いません。
 

K先輩:まず、基立ち練習の時。

     人の前に出ないこと。

     必ず人の後ろに立て。

     基立ちが探しに来ても後ろなら捕まらないから。

     ただ注意点がある。

     交代の合図がなったら斜めにダッシュしろ。
 

S後輩:え?それじゃ基立ちと練習するんですか?
 

K先輩:だからダメだって。考えてないでしょ。

     狙い目は一番人気か、体格が違いすぎる奴。

     合図がなったら素早くダッシュ。

     そして基立ちの横を通って側面につく。

     そうすれば誰かが取るだろう。

     たとえ一番に到着しても体格が違えば、

     基立ちは取らないという戦法。

     それを繰り返すことが大事。
 

S後輩:でも。待機している時、いつも後ろにいたら先生に

     怒られますよね。
 

K先輩:おう。いい質問だ。

     だから同じ場所には立たない。

     いつも違うところに立つ。

     右側の次は左側って感じで。

     取りたいけど取れないという感じでいるんだ。
 

S後輩:す、すごいっすね。それでいつも体力温存してるんですね。
 

      ~K先輩。すごいという言葉に反応し調子に乗って話し出す~
 

K先輩:この前、県の合同合宿があったろう。
 

S後輩:はい。あの広い体育館でしたときですね。
 

K先輩:そうそう。あの時なんか。楽勝よ。基立ちが中心にいて

     基立ち以外は両脇に立っただろう。

     そんな時は走り抜け作戦だよ。

     合図ごとに場所を行ったり来たりだ。

     あの時一本もしなかったからな。
 

S後輩:そ、そうなんですね。今度、私もしてみます。
 

K先輩:それができれば一人前よ。

     合宿の10日や20日、楽勝だから。


★結果
 その後、K先輩は、県大会などには全く出場しないまま3年間を過ごし卒業しました。

 

 後輩SもK先輩を見習い練習をしなかったことで、地区大会に出るぐらいで3年間を終えました。

 

 その結果、OB会などには顔を出せず、母校が優秀な成績を納めても大手を振って語ることはできません。

 

 長いようで短い学生生活。そこで一生懸命したかどうかで、その後の人生は「月とスッポン」です。

 

 学生の時、頑張ることは、一生の宝になります。

 せっかく柔道をするために学校へ進学し、目的を間違えないようにして下さい。

 

 今を一生懸命、頑張らないと、柔道動物園に預けられることになりますよ。

みなさん。頑張って下さい。

 

 

※Blog
 http://hokuyojudo.hatenablog.com/

※Facebook
 https://www.facebook.com/hokuyoujudojyuku/

※Instagram
 https://www.instagram.com/hokuyoujyuku/