赤外線温度計についての備忘録〜計測値と真値の補正 | きたきつねの快適巣作り〜一条工務店

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こんにちは。きたきつねです。

 

早速ですが、きたきつねの手元には赤外線放射温度計があります。

2年くらい前に買った物ですが、Amazonの履歴で見ると、以下の商品を買っていたようです。

 

デジタルサーモメーター 赤外線放射温度計 -50℃~330℃ Infrared Thermometer GM320

 




説明書は捨ててしまったので、色々探したところ、仕様は以下のようです。

 

計測可能温度:-50〜380℃(商品名と違うのはなぜ?)

精度:0℃〜 ±1.5℃

  〜0℃  ±3℃

解像度:0.1℃

スペクトル感度:5.14μm

放射率:0.95

スポットサイズまでの距離: 12:1

 

今回は放射率についての備忘録です。

 

まずは放射について…

放射とは、物質が原子の振動により赤外線エネルギーを周囲に放出する現象のことで、地球上のあらゆる物体は、絶対零度より高い温度であれば例外なく赤外線を放出している。

 

また、物体からの放射は温度が高いほど多く、放射される赤外線エネルギーの量は温度の4乗に比例します。

 

ここで全ての光を吸収する物体を「完全黒体」と呼びます。逆に自らはまったく放射せず、周囲からの熱放射を完全に反射する物体を「鏡面体」と呼びます。

 

熱平衡状態では赤外線の放射量と吸収量は同じでなので、赤外線をよく吸収する物体ほど、より赤外線を放射します。完全黒体は全ての光を吸収するため、同じ温度の物体と比べると、放射する赤外線の量は最も多くなります。

 

次に放射率です。

物質の表面から赤外線エネルギーを放射させる度合いを数値化したもの。鏡面体の放射率は「0」、完全黒体の放射率は「1」となります。

あらゆる物体は、放射率が0 から1 の間にあり、同一物質でも表面が粗いと放射率は高くなります。

 

放射率が1で100℃の物体は100℃分の赤外線を放出していますが、放射率0.95で100℃の物体は、放射率1に対して95%の赤外線しか出していません。

 

そのため、放射率0.95の計測器で放射率1の物体を計測すると、以下のイメージになり、少し異なる温度が計測されます。

 

放射率の違いによる差は、以下を参照しました。

 

これを放射率0.95に合わせた計測器での誤差として図示したものが以下になります。

 

◯放射率が低い物体:この分だけ変化して表示される

 

◯放射率が高い物体:この分だけ変化して表示される。

 

こんがらがってしまいますが、放射率が0.95より低い物体は、本来大きく補正する必要がありますが、0.95として補正されるため低い温度として表示されます。

 

一方、放射率が大きい方は、逆に小さく補正する必要がありますが、0.95に合わせて大きく補正されるため、高い温度として表示されます。

また、対象物の温度が50℃以上ではほぼ線形に見えます。

0〜50℃は若干カーブする感じでしょうか。

 

ここで、普段使う温度帯は0〜100℃くらいなので、このレンジで拡大します。

さらに、対象温度に対して、実際の温度が何度高く(低く)なるかでグラフを書き直しました。

 

◯放射率が0.95より低い場合:実際の温度にするには

 

◯放射率が0.95より高い場合:実際の温度にするには

 

だいたい25℃くらいだと、どの放射率でも差はほとんどなさそうです。

放射率が低い場合(0.86)は、25℃以下ではマイナスなので、計測した温度が10℃の場合、だいたい-1.5℃くらいのため、実際の温度は10-1.5=8.5℃ということになると理解しています。

 

ここで大事になるのは、物質の放射率ですね。

身の回りのものは以下のようになっています。

 

以上、赤外線放射温度計の補正の話でした。