映画「ナポレオン」
2023年 アメリカ 158分
<監督>
リドリー・スコット
<キャスト>
ホワキン・フェニックス、
ヴァネッサ・カービー、
<内容>
「グラディエーター」の巨匠リドリー・スコット監督が「ジョーカー」のホアキン・フェニックスを主演に迎え、フランスの英雄ナポレオン・ボナパルトの人物像を新解釈で描いた歴史スペクタクル。
18世紀末、革命の混乱に揺れるフランス。若き軍人ナポレオンは目覚ましい活躍を見せ、軍の総司令官に任命される。
ナポレオンは夫を亡くした女性ジョゼフィーヌと恋に落ち結婚するが、ナポレオンの溺愛ぶりとは裏腹に奔放なジョゼフィーヌは他の男とも関係を持ち、いつしか夫婦関係は奇妙にねじ曲がっていく。
その一方で英雄としてのナポレオンは快進撃を続け、クーデターを成功させて第一統領に就任、そしてついにフランス帝国の皇帝にまで上り詰める。
政治家・軍人のトップに立ったナポレオンと、皇后となり優雅な生活を送るジョゼフィーヌだったが、2人の心は満たされないままだった。
やがてナポレオンは戦争にのめり込み、凄惨な侵略と征服を繰り返すようになる。
(映画COM)
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TOHOシネマズ上大岡にて公開翌日の12月2日、期待しての鑑賞。
まだ公開途中なのであまり色々伝えないでおきましょうwただし劇場によっては、もう一日1回の上映に減ってしまっているところもありますので、映画館で観る方はお急ぎください。
マリーアントワネットの、ギロチン処刑から始まるこの物語。
流石リドリー・スコット監督、戦いの場面は大迫力で見ごたえあり。そこは映画館のスクリーンで観たほうが、よりその迫力を楽しめるかと思います。
そしてナポレオンとジョゼフィーヌとの関係の一片を、この映画で知ることができたのも収穫ではありました。
ただしあくまでも個人的な感想ですが、ストーリー的にはナポレオンの功績を年表にし、ダイジェストのような感じを受けてしまったのが残念なところです。これだけの大作ですから、もっと人物へ深堀するとか戦いでも絞って、私の五感をこれでもかというほどに揺さぶって欲しかったというのが本音です。
もう少し本編についてですが、彼がジョゼフィーヌの愛を渇望していたのはよくわかりました。そして時折見せる子どものような仕草、ジョゼフィーヌに切望する、幼児性を感じさせるホアキン・フェニックスの演技は観ていて面白かったですね。
あの場面ですw
ただし若き日のナポレオンを演じるにはちょいと、年齢を感じてしまったかな。
ジョゼフィーヌとナポレオンの物語というところでしょうか。
戦いの見どころの一つは、ロシア、オーストリア、フランスの三人の皇帝が一つの戦場に会したことから「三帝会戦」と呼ばれる「アウステルリッツの戦い」。
ナポレオンの戦略が、見事に当たった戦いでもあります。
凍った湖の氷を大砲で砕き、湖に沈むオーストリア・ロシアの兵たちのあの場面はみどことのひとつ。
そして冬将軍にしてやられてしまうロシア遠征、惨敗のワーテルローの戦いも迫力満点でした。
余談ですが、ロシア遠征の失敗~エルバ島に流されていた期間は、「会議は踊る、されど進まず」でも有名なウィーン会議が開かれていました。
映画「会議は踊る」という、古い作品を思い出してしまいました。
ナポレオンそしてジョゼフィーヌは、二人の間に後継者が出来なかったことで破局を迎えます。ここで映画を観ながら、徳川幕府のような「大奥」の制度があったならば、ナポレオンとジョセフィーヌの関係は続き、そして歴史が変わっていたかもしれないと思ったのは私くらいでしょうかw
そしてもうひとつ私の頭に浮かんだのは、ジョゼフィーヌ演じるヴァネッサ・カービーですが、途中で俳優ベネディクト・カンバーバッチにどうしても見えてきてしまったのですwこれまた私だけでしょうか?
と脱線してしまいましたが、戦いのシーンは本当に迫力があったことは確かです!
5点満点中3.7
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(おまけ)
ナポレオン映画というと、アベル・ガンスの1927年、サイレント映画の「ナポレオン」を思い出します。
断片映像を観たことがありますが、なんとオリジナル作品は12時間にも及ぶ超大作(ラース・フォン・トリアのキングダム15時間には及びませんがw)。
クライマックス場面には、3面のスクリーンに映し出される技法でパノラマのような効果を狙っているのは有名です。
そして初めて撮影では、馬や自動車にカメラを積んでダイナミックな情景を撮影した作品でもあります。
また白黒だった時代に、独自の色彩技法を取り入れてカラーを実現しているのも特徴です。
その映画をフランシス・コッポラが3時間40分に編集したものも有名ですね。
どこかの会場で、上映してくれませんかね。