映画「アラビアのロレンス」午前十時の映画祭13 | ほくとの気ままなブログ

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午前十時の映画祭13

 

 

アカデミー賞7部門受賞

(作品賞、監督賞、撮影賞、編集賞、美術賞、作曲賞、録音賞

 

映画「アラビアのロレンス」 

 

 

1962年 227分(完全版) イギリス、アメリカ

 

<監督>

デヴィット・リーン(アカデミー賞監督賞受賞

<音楽>

巨匠:モーリス・ジャール

 

<キャスト>

ピーター・オトゥール、

アレック・ギネス、

アンソニー・クィーン、

オマー・シャリフ、

アーサー・ケネディ、

アンソニー・クエイル

 

<内容>

第一次世界大戦の2年目を迎えた1916年、カイロ英陸軍司令部勤務のロレンス(ピーター・オトゥール)は、アラビアに対して勢力を持っているトルコの圧政に苦しむアラビア人に深く同情していた。

やがて、ロレンスはさまざまな戦略を用いてトルコ軍を打ち破り続けるが……。

(シネマトゥデイ)

 

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お前は誰だ?

ロレンスとは何者だ??

CGなしの大スペクタクル映画!

絶対的な砂漠の旅をロレンスと共に!!

 

 

トルコの支配からアラブ人独立のために戦ったイギリスの工作員ロレンス。

アラブの英雄となるも、しかし結果としてはイギリス帝国主義の尖兵として利用され切り捨てられたロレンス。

そのロレンスの野望と失意を描いた物語。

 

 

7月1日TOHOシネマズ上大岡、午前十時の映画祭12にて鑑賞。

 

先日記事アップしています映画「大脱走」と同じく、この映画も何回観た事でしょう。映画館はもちろんですが、某大学の学園祭でもオールナイト上映をしていた記憶があります。もちろんオールナイト鑑賞しました。

小さな画面では計り知れない大迫力、ぜひとも映画館で鑑賞して欲しい作品のひとつでもあります。

ということでまたまた鑑賞しましたので、過去記事に少し加筆してのブログアップとします。

 

冒頭と、休息と、終わりのスクリーン黒画面では、音楽が流れます。

 

本編が流れる前に「序曲」として本編で使われる曲が流れます。このパターンは当時としては一般的だったのでしょうが、今ではなかなかないですから、もうそこから貴重な贅沢な体験です。

何回も観ていると、曲が流れるだけで、映画のワンシーンが目に浮かんできます。

とっても幸せを感じる時間でもあります。

予告なども入れると、拘束時間約4時間の長丁場です。

さぁ~本編になります!!

 

名画のような美しいシーン

 

 

砂漠に大きな太陽が昇るシーンや蜃気楼、砂漠から諦めていた仲間を救出してロレンスが戻ってくるシーン、敵の要塞を陥落させてロレンスがラクダに乗って夕陽が映るシーンなど雄大で本当に名シーンのオンパレード。

 

 

そしてあの有名なテーマ音楽が、より雄大な臨場感を演出します。

もうワンシーンのワンカットごと切り取って額に入れても、名画のような美しい場面が目白押しです。

 

 

 

実在のイギリス人将校をモデルにした壮大な歴史ドラマであり、戦争映画でもあり、また人間ドラマでもあります。

世界史を知っている方などではあのサイクス・ピコ協定など、後のパレスチナ問題、不自然な国境分断の遠因になったことなども劇中に出てきます。

ですから、ちょっとだけでもその当時の中東情勢を知っていると、より深くこの物語を観て理解することができるかもしれませんね。

 

 

 

イギリスは、首都ダマスカスを自分たちより先に占領したアラブの面々を、特に支援もせずにそのままにしておきます。

占領後インフラを扱いきれないアラブ人達。

イギリスは、その混乱をわざと放置し、様子を見ているのです。

しばらくするとアラブ人たちが自分たちの限界を感じ、統治を諦めたところでイギリスは腰を上げて主導権を握ります。

 

 

アラブ人の為と思わせて最終的にはイギリスのために、トルコの軍隊とアラブ人を戦わせるイギリス。

この作品を通して、

大国のエゴイズムと差別を知ることができます

そして

政治の、また政治家のしたたかさも感じることができるでしょう。

 

 

 

 

バイクで始まりバイクで終わる!

 

 

バイクが走行する方向にも注目!!

冒頭のバイクシーンも然りですが、ロレンスが行う戦闘シーンなどは左から右への移動

唯一右から左への移動は、ラストのシーンのみ。

右から左が前進としたら、右から左は後退といえるでしょう。

計算された動きだったのですね。

恐るべしデヴィット・リーン監督。

 

バイクがスピードをだし一本の田舎道を走る。

そして途中自転車に乗っていた2人の少年と遭遇して、避けようとしてハンドル操作をあやまり事故死する冒頭のシーン。

ラストはロレンスが帰還するために乗った車がバイクに追い抜かれるシーン。

それぞれのシーンは、その後の時代の流れや世界情勢または中東情勢の変容を暗示させるシーンになっています。

ロレンス自身、バイク事故で亡くなっています。

 

 

ちなみに彼の乗っていたバイクは、かつてイギリスに存在していた、バイクのロールスロイスと言われた、ブラフ・シューペリア社の高級バイクだったそうです(ロレンスは、そのバイクにニックネーム「ジョージ」と名前を付けて、ブラフ社のバイクを7台乗り継いでいたそうです)。

最初この映画を観た時には、画面に映し出されるバイクはハーレーかなと思ったりしましたが、違っていましたね。

 

 

 

この雄大な映画の中で、もうひとつ話題になることがあります。

それは、ロレンスのゲイ疑惑です。

 

 

ロレンスはゲイだったのでしょうか?

ロレンス演じるピーター・オトゥルは、明らかにその辺を意識した演技をしていたと思われるのですが?

オネエチックな動きをしていたシーンもありましたし、話し方なども・・。昔観た時は、そんなことはまるっきり思ってもおりませんでしたが。

 

 

映画の中でも出てくる、トルコの将校のロレンスに対して性的暴行を想像させるシーン、あの出来事は実際あったらしいですね。

そしてこれまた映画のシーンでも出てきますが、ロレンスが鞭打ちの拷問にあう。

その拷問に性的興奮を覚えたとか、自分の著書に記述しているようです。

鞭打ちのシーン、映画ではピーター・オトゥルがうっとりするような演技をしておりますのでお見逃しなく(ピーター・オトゥルもそっち系だといわれているようですが!?)。

 

 

 

従者として雇った少年の件についても色々とあったようですし。

そしてロレンスは生涯女性との関係はなかったようなので、より同性愛者ともいわれる所以なのでしょうね。

ただし真相はどうなのか不明みたいですよ。

まぁとにかく、変人だったことは確かみたいですが!

 

 

その点と関係があるかどうかはわかりませんが、この作品会話をする(話をする)女性が一人も登場しておりません(群衆の中などに女性は登場してはいます)。

これまた何か意味があったのでしょうか?

 

 

おまけ的なことでは、

アラビアのロレンスという呼び方の前には、「アラビアの無冠の帝王」と呼ばれていたようです。

 

身長は映画ではピーター・オトゥル(188センチくらい)が演じていますので大きくに思えますが、実際は165センチ。けっこう小さかったですね。

 

 

劇中でも登場する、砂漠を横断している中でいなくなったアラブ人を助け出して、連れ戻す感動的なシーンがあります(個人的にはけっこう好きなシーンですが)。

その勇敢な行為のあとに「砂漠の息子」と称賛されアラブ人から仲間と受け入れられていきます。ただし、実際は命が危うくなるリスクを負ってまで行くことを相当非難されて、笑いものになっていたとか・・。

 

ある村を焼き払い虐殺したトルコ軍を、逆に大量虐殺するあの出来事は実際にありました。

如何に英雄と称されても、どこかで狂気に走ってしまうのは戦争というなかではどの時代でもあることなのでしょう。

 

 

 

色々な要素が組み込まれた

砂漠の一大叙事詩。

CGなどは使わない圧倒的な本物の迫力!

 

 

 

砂漠の映像と音楽が融合した壮大な物語!!

 

 

ピーター・オトゥールを筆頭にアレック・ギネス、アンソニー・クィーン、オマー・シャリフ個性あふれる俳優陣の演技!!

 

 

 

 

ぜひできたら大画面で味わってください。

 

5点満点中4.3

 

 

 

↓名場面のオンパレードです。