映画「ドリーム」
2016年 アメリカ 127分
<監督>
セオドア・メルフィ
<原作>
マーゴット・リー・シェッタリーのノンフィクション小説「ドリームNASAを支えた名もなき計算手たち」
<キャスト>
数学者 キャサリン・ゴーブル・ジョンソン:
タラジ・P・ヘンソン、
数学者、スパーバイザー(西棟代理主任)ドロシー・ヴォーン:オムタヴィア・スペンサー、
数学者、エンジニア メアリー・ジョンソン:
ジャネール・モネイ、
アル・ハリソン(STG宇宙研究本部の責任者):ケヴィン・コスナー、
スーパーバイザーヴィヴィアン・ミッチャル東棟主任):キルスティン・ダンスト、
ジム・パーソンズ、マハーシャラ・アリー、
<内容>
1962年に米国人として初めて地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士ジョン・グレンの功績を影で支えた、NASAの3人の黒人系女性スタッフ、キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ボーン、メアリー・ジャクソンの知られざる物語を描いたドラマ。
ソ連とアメリカの宇宙開発競争が繰り広げられていた61年、米バージニア州ハンプトンにあるNASAのラングレー研究所に、ロケットの打ち上げに必要不可欠な計算を行う黒人女性グループがいた。
なかでも天才的な数学の才能をもつキャサリンは、宇宙特別研究本部の計算係に抜てきされるが、白人男性ばかりのオフィス環境は、キャサリンにとって決して心地よいものではなかった。
一方、ドロシーとメアリーもそれぞれ、黒人であるというだけで理不尽な境遇に立たされるが、それでも3人はひたむきに夢を追い続け、やがてNASAの歴史的な偉業に携わることとなる。
キャサリン役で「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」のタラジ・P・ヘンソンが主演し、ドロシー役を「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のオクタビア・スペンサー、メアリー役を「ムーンライト」などにも出演している歌手のジャネール・モネイが演じた。監督は「ヴィンセントが教えてくれたこと」のセオドア・メルフィ。ミュージシャンのファレル・ウィリアムスが製作と音楽を担当。
(映画.COMより抜粋)
*********************
公民権運動が巻き起こる60年代の中で、差別と闘いながらNASAという組織の中で、その壁を壊しドラマチックな人生を切り開いていく実在した3名の黒人女性の物語。
アメリカのマーキュリー計画の裏話になります。
なかなか面白かった。
NASAの東棟スーパーバイザー演じるキルスティン・ダンストは、映画「パワオブザ・ドック」で演じたローズとは全く異なっていますよ。
アメリカの宇宙開発マーキュリー計画になくてはならない存在になってゆく、主人公の彼女たち。
しかしその過程には、やはり人種差別と闘わなければなりませんでした。
エピソードのなかでも、スカッとした場面。
キャサリンがトイレにくシーン。
黒人用トイレが、事務所から相当離れた場所にしかなく、そこへ行って帰ってくるだけでも一苦労。
まわりのスタッフからすると、長い時間何処にいっていたの?と思われるほど。
そんな事情をよく知らなかった上司のアル(ケヴィン・コスナー)。
そんなトイレ問題に、マーキュリー計画にはなくてはならない存在になっていたキャサリンが訴えました。
そのあと上司アルがとった行動。
白人専用の札を自らハンマーをもってぶち壊し、差別に対して風穴を開けるところは爽快でしたね。
また差別はありながらのなかでも、やはり数式は正直。それは黒人である彼女が出した答えが白人男性スタッフの答えと違っても、やはり数字は裏切らない。
正しいものは正しかったのです。
とうように、彼女たちが人種差別の色々な問題に耐えながら、彼女たちの実力と知識によって、問題を解決し切り開いていく姿はなんともかっこいいのです。
なかなかNASAの表には出ない裏方の物語でした。
この主人公3名の黒人女性の凛としたところは、本当にすがすがしくて良かったですね。
やはりどんな時代、どんな場所においても先駆者は大変ですが、成功を収めた先駆者は信念とパワーを持ち合わせているのでした。
5点満点中3.8
(画像全てお借りしました)
↓キャサリン・ゴーブル・ジョンソン
↓ドロシー・ヴォーン
↓メアリー・ジョンソン