映画「白い黒人」
現代:原題:Passing
2021年 アメリカ 99分
<監督>
レベッカ・ホール
<キャスト>
テッサ・トンプソン、
ルース・ネッガ、
アンドレ・ホランド、
ビル・キャンプ
<内容>
ニューヨークで暮らすアイリーン(テッサ・トンプソン)は、子供のころの友人であるクレア(ルース・ネッガ)と偶然再会する。
共に肌の白い二人だったが、クレアは黒人であることを隠して白人男性と結婚していた。一方、黒人として生きるアイリーンは、気乗りしなかったがクレアを夫(アンドレ・ホランド)にも紹介する。
クレアがアイリーンの周りの人々と親しくなり、二人の人生が深く交差していくにつれ、アイリーンは自らの在り方を問い直すようになっていく。(シネマトゥディ)
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レベッカ・ホール監督初作品
ヒューマンドラマでもあるのですが、サスペンス的要素も含んでおりますので、驚愕のラストは伏せておきましょう。
原題の「パッシング」には通り抜けるという意味があるそうです。
人種の問題や差別などから通り抜けるということなのか。
さらに掘り下げるとこの作品は黒人差別問題だけではなく、同性愛など色々な示唆に富んだ内容が感じられる作品でもありました。
クレアとアイリーン、この二人の中に溢れんばかりの愛情を感じさせるようなシーンもでてきます。
物語の中心人物は、は故郷が同じ二人の黒人女性。
ある時久しぶりに再会したことからドラマが始まります。
おたがいに肌の色が黒人としては薄く、久しぶりに再会した時には、
ひとりは黒人女性として生き、
もうひとりは白人のフリをして生きている。
クレアがアイリーンの家族や友人との交流の中で、お互いに色々な気づきが芽生え始めます。
舞台となっている設定は1920年代、まだまだ人種差別が激しい時代。
その中で黒人らしさとは、はたまた白人らしさとはを問いかける内容。
全てモノクロで展開される今作品。
内容的には異なりますが、あのネットフリックス映画「ROMA/ローマ」と同じようなにおいを感じました。
全編モノクロ展開作品であることはもちろんですが、クラシックな美しい映像のワンカットワンカットは、まるで絵画を見ているようにも感じさせてくれます。
そしてその画像からはなにやら得体のしれない、オーラを感じる。
派手さはないが、淡々とした作品展開が逆に緊張感が蓄積されて、そして最後まで謎めいたままに終わってしまうところも、ある種の余韻を残す素晴らしい作品だったと思います。
とにかくラストは、驚愕の一言!!
初監督作品としてはクオリティ高いですね!!
(画像全てお借りしました)
5点満点中4.0