映画「燃ゆる女の肖像」 | ほくとの気ままなブログ

ほくとの気ままなブログ

ブログの説明を入力します。

カンヌ国際映画祭パルムドールノミネート、

脚本賞、クイア・パルム受賞作品 

 

映画「燃ゆる女の肖像」

 

 

 

2019年 フランス 120分

 

<監督>

 

<キャスト>

ノエミ・メルラン、

アデル・エネル、

ルアナ・バイラミ、

ヴァレリア・ゴリノ

 

<内容>

18世紀フランスを舞台に、望まぬ結婚を控える貴族の娘(アデル・エネル)と彼女の肖像を描く女性画家マリアンヌ(ノエミ・メルラン)の鮮烈な恋を描き、2019年・第72回カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィアパルム賞を受賞したラブストーリー。

画家のマリアンヌはブルターニュの貴婦人から娘エロイーズの見合いのための肖像画を依頼され、孤島に建つ屋敷を訪れる。

エロイーズは結婚を嫌がっているため、マリアンヌは正体を隠して彼女に近づき密かに肖像画を完成させるが、真実を知ったエロイーズから絵の出来栄えを批判されてしまう。

描き直すと決めたマリアンヌに、エロイーズは意外にもモデルになると申し出る。キャンパスをはさんで見つめ合い、美しい島をともに散策し、音楽や文学について語り合ううちに、激しい恋に落ちていく2人だったが……。

 

「水の中のつぼみ」のセリーヌ・シアマが監督・脚本を手がけ、エロイーズを「午後8時の訪問者」のアデル・エネル、マリアンヌを「不実な女と官能詩人」のノエミ・メルランが演じた。

(映画.COM)

 

 

**********************

 

 

世界が絶賛 

あまりに激しく圧倒的な愛に心震える、

映画史に残る愛の物語

 

このキャッチコピーに心踊らされ、みなとみらいキノシネマにて12月5日鑑賞してきました。

 

この作品、評論家の間では相当評価が高いですね

 

 

フランスの恋愛映画、そして私が想像もしなかった、なんとレズビアンロマンス映画だったのです。

 

 

 

 

18世紀まだまだ女性画家の地位が低かったその時代に、苦悩するひとりの女性画家を描いたヒューマンドラマかと思っておりましたが、あれれ~~という感じの内容だったのです。

事前にその辺の情報を確認していたら、たぶん鑑賞しなかったと思うので、知らないである意味良かったのかもしれませんが・・・。

 

シーンのひとつひとつが美しい絵画を観るような画の連続。

 

 

そして二人の女性の息吹が画面からも感じ取れる。

女性監督ならではの、そしてセリーヌ・シアマ監督の感性がにじみ出ているような、繊細な動きもこれまた特徴なのでしょうか。

お互いの内面からのより深いうねりが、時には荒波のようにはじけ、観客を魅了していいきます。

 

 

ただそこに映し出される映像は、ドラスティックではなく静かななかに抑え込まれたなかでの激しい感情を感じさせる。

観客は絵画の連続を観るような感覚を覚えるのではないでしょうか。

 

物語が進行していくにつれ、肖像画を描くことを依頼された画家と、そのモデルになる貴族の娘二人の女性は接近していくのですが、途中から私は先ほど記述したように、この物語の本質に気が付かされていくのでしたw

 

どうもセリーヌ・シアマ監督自身が、レズビアンらしいですね。

そして、貴族の娘役アデル・エネルは監督の1作目でも出演してまたプライベートでも監督の元パートナーだったようです。

なるほどねぇ!

 

圧巻だったのは、劇中の祭りのシーン。

 

焚火の向こう側で、ドレスの裾に火がついているのにもかかわらず一点を見つめ、すくっと立ち続けるエロイーズ。

そして焚火を囲むように、祭りに参加している女性たちが歌う音楽の旋律。

このシーンはとても神秘的であり、五感が浄化されるような場面でした。

 

ラストシーンもちょっとしたひねりもあり、なかなか素晴らしかった。

冒頭の、マリアンヌが絵画を生徒たちに教えるシーンに戻る。

肖像画が完成してエロイーズと別れた後、2回だけ再会したことを話します。

 

 

1回目は、美術展でエロイーズの肖像画を観たこと。

そこに描かれている絵は、エロイーズの脇には子どもがいて彼女が本を手に持っている。

その本は28P目が開かれていたのです。

マリアンヌはそれを見て微笑みます。

この28Pはとっても重要なページになります。

それは映画を観てのお楽しみ!

 

そして2回目の再会は、コンサート会場でのシーン。

マリアンヌの席の向かい側にエロイーズが座っている。

演奏を聞き、涙流すエロイーズをひたすら見ているマリアンヌ。

彼女エロイーズはマリアンヌのほうは見ていない。

演奏されている楽曲は、二人の思い出の曲「ヴィバルディの四季」だったのです。

 

余韻を残す、見事なラストシーン!

 

 

 

フランス映画ぽく、フランス文学を再現した芸術性の高い作品。

なかなか秀逸な映画であったと思います。

 

ただハリウッド的娯楽作品とは異なりますから、要注意!

そして個人的には、この手の内容はそんなに感情移入できないほうでして・・映画史に残る作品かどうかは^^;。

(画像全てお借りしました)

 

5点満点中3,6