映画「日本の夜と霧」 | ほくとの気ままなブログ

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女子チームパシュート金メダルおめでとうございます。

感動したよぉ~!!!

 

 

公開4日目で打ち切りとなった問題作。

 

映画「日本の夜と霧」 

 

 

 

1960年 松竹 107分

 

<監督>

大島渚

 

<キャスト>

渡辺文雄、

桑野みゆき、

津川雅彦、

佐藤慶、

芥川比呂志、

小山明子(この時すでに大島夫人)、

永井一郎(サザエさんの波平さんの声!)

 

<内容>

霧の深い夜、新安保闘争で結ばれた野沢晴明(渡辺文雄)と原田玲子(桑野みゆき)の結婚式が行われた。

 

 

野沢はかつて破防法時代には学生運動の指導をし、今は新聞記者をしている。六・一五の夜(*6/15東京大学の学生、樺 美智子さんが亡くなった安保闘争)、野沢は傷ついた玲子と北見を介抱する後輩の太田(津川雅彦)に会った。北見は十八日夜、国会に向ったまま消息を絶った。--式場には仲人の宇田川夫妻(芥川比呂志)、破防法では共に火焔ビン闘争に参加した友人の中山(吉沢京夫)・美佐子(小山明子)夫妻らが出席した。太田は同志である北見の失踪をよそに、幸せな生活に入ろうとする玲子をなじった。太田には六・一五の逮捕状が出ていた。ハンガリー民謡を歌う色眼鏡の青年が入って来た時、式場からは結婚の幸せな空気は消えた。闖入した青年宅見は一同に、十年前--学生たちが火焔ビンで破防法と闘っていた頃のある霧の深い夜、中山たちの学生寮に若い男が忍びこんでいたのを捕った。男は逃げたが、そのきっかけを作ったと疑われたのが、かつてハンガリー民謡を口ずさんでいた高尾だった。高尾はスパイとして党の査問委員会にかけられ、中山と美佐子の結婚式の夜、自殺した。美佐子への愛、火焔ビン闘争に対する非難と運動方針の転換などもその原因らしかった。--式場では運動の犠牲者高尾の死の真相が明るみに出るにつれ、野沢と美佐子の過去の関係まで暴露された。破防法阻止運動の失敗、今度の新安保闘争では北見が行先不明となって戦列を離れてしまった。何の進歩もなかった、このことは玲子を責めることでもあった。現在の互いの立場から糾弾しあう一同。北見を求めて外に出た玲子を太田が追った。その太田を刑事たちが逮捕する。表に出てくる一同。外からはデモ隊の騒がしい音が聞こえてくる。宅見たちはデモに参加するために立ち去る。野沢と玲子を始め残された者に向かって、中山は彼らを批判し党の方針に沿った教条的な演説を始める。それを聞く一同の顔には陰鬱な表情が浮かんでいるのだった…。(MovieWalker参考)

 

 

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この物語、武装闘争路線を進めていた共産党が、武装闘争路線を放棄せざるを得なくなったなど、1950年代から60年安保闘争につながる左翼の歴史がモチーフとなっている映画ででしょうか。

 

若者よ、 身体を鍛えておけ♪

美しい心が、 逞しい身体に、からくも支えられる時が、 いつかは来る。その時のために、 身体を鍛えておけ、 若者よ♪

 

劇中に、この歌がけっこう流れてきます。

それも、学生組織が非暴力主義的な「うたごえ運動」という青年組織化路線に、切り替えたことへの皮肉のようですね。

 

この点を踏まえて観るのと観ないのでは、全くこの映画についての印象は変わってくるでしょうか?

ということで、私は学生運動全盛期の人間ではないので、小難しいことはおいておきますが・・・w

 


東大紛争まっただ中の駒場祭ポスター

「とめてくれるなおっかさん 背中の銀杏が泣いている 男東大どこへ行く」

 

公開からわずか4日後に上映が打ち切られ、それに抗議した大島が松竹を退社するきっかけになったいわくつきの映画。

 

この映画は、今回初見。

前回紹介した「青春残酷物語」同様やはり大島監督のこれでいいのかというジレンマが、怒りが熱が感じられてきますが、いかんせん映画としての面白みはどうなのか?

その辺はおかまいなく撮りたかったのでしょうね!

 

ご自身も学生運動を行っていた経緯もありますし。

 

撮影を短くすませるために、(いつ会社から中止が出るかわからないため?)大島監督は、カット割りのない長回しの手法を多用し俳優が少々セリフをカンだり、間違えてもお構いなしに中断せずに(けっこうセリフカンだり、詰まるシーンあります)撮影を続けたのですが、そのことが独特の緊張感を生んだようです。

 

 

 

一人一人のセリフが長かったり、学生運動特有のイディオロギーに関する専門用語的な言葉が、ガンガン出てきます。

 

かつて血のメーデー事件などの学生運動の渦中にあった新郎と、現在安保闘争に身を投じている新婦の結婚式。その会場の場が世代や政治的対場を超えた者たちの討論の場となっていきます。

式の参列者は次第に過去を回想していきます。


舞台劇を見ているような感じ。

 

学生運動の内情に深く切り込んだ作品でもあるとは思います。

この手の作品個人的には嫌いではないのですが、けっして誰にでもお勧めできるという作品ではないでしょうね。

 

今のご時世映画館で上映しても受けいられないのではと思ったり。

 

私の大学時代、団塊の世代の方々の頃の「日米安保反対」の学生運動真っ盛りからは、まったく時代が変わってはいましたが、それでも三里塚闘争などの名残が少しは残っていたり、学費値上げ反対などの学生運動はまだ少しはありましたね。

団塊世代から言わせたら無気力世代といわれる年代ではあるのでしょうがw

しかしそのような時代でしたが、友達と安酒を飲みながら汚い下宿で、国家論を論じたり、原始共産制がなんちゃらだとか、マルクスレーニン主義が・・・等など懐かしく思い出されます(けしてセクトに入ってたとかでは、全くないですので・・w)。

あの頃の、エネルギーは何だったのだろうww

結局は体制側の歯車となってしまっているのですがww

ただ、今の時代にはまったくこのような熱いものが若者にないのかと思ってもみましたが、数年前の形は違うかもしれませんが国会の安保法制に対する反対のデモで、若い連中を中心とした1万人規模のデモを思い出すと、この映画で登場する若者とダブルところもあったりしましたね。

 

結束を固めるために男女がフォークダンスをする場面がでてきます。なんか時代を感じましたね。

そういえば、田舎で過ごした中学の頃フォークダンスありましたが、団結をかためるためだったのだろうかwww?

思春期、女子と手を握ることのできる唯一の機会でありましたが。

あまって男性同士になった時は、顔で笑って心で泣いていましたがww

 

 

だいぶ脱線しましたが、内容が面白いどうのこうのではなく、大島監督のエネルギーが半端なく感じる映画でした。

誰にでもお勧めできるという作品ではないですが・・・。Ww

 

5点満点中3.0