第五十四回アカデミー賞作品賞 受賞作品
映画「炎のランナー」
1981年 イギリス 124分
<監督>
ヒュー・ハドソン
<キャスト>
ハロルド・エイブラハムス(100m金メダル):ベン・クロス、
エリック・リデル(400m金メダル):イアン・チャールスン、
イアン・ホルム、
ナイジェル・ヘイヴァース
<内容:ネタバレ注意>
1919年、ケンブリッジ大に入学したハロルド・エイブラハムズ(ベン・クロス)は、自分がユダヤ人であることを強く意識していた。アングロ・サクソンの有形無形の差別に反発し、その鬱憤を発散するため走った。同じ頃、スコットランドではエリック・リデル(イアン・チャールソン)が駿足を謳われていた。彼は宣教師の家庭に生まれ、彼も父の後を継ぐつもりだった。彼にとって、走ることは神の思寵をたたえることだったが、妹のジェニー(シェリル・キャンベル)は彼が一日も早く宣教の仕事を始めることを望んでいた。
ケンブリッジでは、ハロルドを中心に、障害物のアンドリュー(ナイジェル・ヘイヴァース)、中距離のオーブリー(ニコラス・ファレル)とヘンリー(ダニエル・ジェロール)が活躍をし、24年のパリ・オリンピックを目指して練習を続けた。ハロルドはスコットランドまで行き、エリックが走るのを見学。ある夜、オペラ見物に出かけたハロルドは、歌手のシビル(アリス・クリージャ)に一目惚れし、早速デートに誘い出す。23年、ロンドンでの競技会で、エリックとハロルドは対決。わずかの差でエリックが勝つ。ハロルドはサム・ムサビーニ(イアン・ホルム)のコーチを受けることになった。そのためトリニティの学寮長(ジョン・ギールグッド)とキースの学寮長(リンゼイ・アンダーソン)に、アマチュア精神にもとると批難されたが、彼は昂然と反論した。
オリンピック出場が決定したケンブリッジ四人組とエリックは、パリに向かう。百メートルの予選が日曜日と知ってエリックは出場を辞退する。日曜は神が定めた安息日だから、走れないというのだ。選手団長のバーケンヘッド卿(ナイジェル・ダヴェンポート)、皇太子(デイヴィッド・イエランド)、サザーランド公(ピーター・イーガン)の説得も効はなかった。アンドリューが四百メートルに出る権利をエリックに譲ると申し出る。百メートルではハロルドが、米国のパドック(デニス・クリストファー)、ショルツ(ブラッド・デイビス)を押えて優勝。競技場近くの宿に一人残っていたサムは、ハロルドの勝利を知り感涙にむせぶ。四百メートルでは、エリックが勝利をおさめた。帰国した選手たちに、イギリス国民は惜しみない賞賛を与えるのだった。(MovieWalker)
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ものすごく久しぶりに観ました。
あのケンブリッジ大学構内を走るシーンなどはけっこう覚えていましたが・・。
1924年パリオリンピック(第8回)でイギリス代表100m、400mの陸上競技で金メダルを獲得した、実在の2人の男性をモデルにした物語です。
けっしてスポ根性映画ではありません。
また宗教、差別、国家組織権力の権威主義も垣間見られる作品。
個人的にはこの映画、なぜか崇高な物語に最初観た時そして今回の鑑賞でも感じられるんですよね。
音楽のせいなのかな?
性格的に対照的な二人。
ユダヤ人のエイブラハムスは、差別的な視線を常に感じていたために、それに打ち勝ち真の英国人になるために走ることを手段としていた。
自分の記録をあげるそして勝つために、アマチュア精神に反すると非難されようが、プロのコーチに指導を頼みます。
かたや宣教師の家に生まれ、神から授かったその恩恵に報いるために走るエリック。
予選会が安息日にあたってしまったその時彼は、自分の信念から安息日に競技に参加することは神の意志に反するということで辞退してしまいます。
いかなる権力者からの説得にも、エリックは信念を曲げなかった。
凄いことですよね。
競技参加より自分の信念をつらぬく、かたや勝つためにはさげすまされようがこれまた自分の信念に基づいて努力する。
この映画信念を突き通した男たちの物語であり、そして数々の困難や権威に対して、それを突き破っていくのが若い力情熱であるという普遍のテーマが感じられるます。
海岸を走る主人公たちのシーンがそれを象徴しているかの如く、印象的なシーンです。
必見!!!
この映画音楽は有名ではないでしょうか?
聴いたことある方も多いはず。
有名な「タイトルズ」もそうですが、エリックのテーマやエイブラハムのテーマ曲も良いですね。
(おまけ)
1924年パリオリンピックを調べてみたらアメリカは強いのですが、フィンランドがなかなかすごい!
メダル獲得数2位です。
夏のオリンピックのイメージないのですが・・。
3位はフランスでした。
日本は初参加から3回目ですが、レスリングで初の銅メダルを獲得しています。
映画の中でも各国の国旗の中に日の丸が映っていました。。
エリック・リデルは宣教先の中国で、日本軍に抑留されて収容所で死去しています。
戦争は本当に嫌ですね。
5点満点中4.0
たぶん実写
エイブラハムのレース
エリックのレース