第四十二回アカデミー賞 作品賞 受賞作品
映画「真夜中のカーボーイ」
1969年 アメリカ 113分
<監督>
ジョン・シュレシンジャー(監督賞受賞)
<キャスト>
ジョン・ヴォイト(アンジェリーナ・ジョリーの親父さんです:唇がそっくりw)、
ダスティン・ホフマン、
ブレンダ・ヴァッカロ、
<音楽>
ジョン・バリー(007などの映画音楽も手掛けています)
<主題歌>
ハリーニルソン「うわさの男:Everybody's Talkin'」
<内容>
男性的魅力で富と名声を手に入れようと、テキサスからニューヨークに出てきた青年・ジョー(ジョン・ヴォイト)。
カウボーイスタイルに身を固めた彼は女を引っ掛けて金を要求するが、逆に金をふんだくられる。女こそ名うての娼婦だったのである。
ジョーはスラム街に住むラッツォ(ダスティン・ホフマン)というびっこの小男に出会い、売春の斡旋人を世話してくれるという約束で10ドルを手渡すが、斡旋人は男色を専門としていた。騙されたと知ったジョーは、ラッツォを捕まえて問い詰めるが、既にラッツォの手には金がない。その代わり、罪滅ぼしにラッツォは、カモ探しに協力する。二人はラッツォのねぐらである廃墟のビルで共同生活を始める。
ジョーとラッツォの間に芽生える奇妙な友情。しかし、ラッツォの身は病魔に冒されていた。冬のニューヨークで暖房もない貧苦の生活。ラッツォは温暖なフロリダ移住の夢を語る。ひょんな切っ掛けからジョーのジゴロ稼業がうまくいきそうになるも、ラッツォの病状は次第に悪化する。ジョーはゲイの紳士から強奪した金で、ラッツォとマイアミ行きのバスに乗る。既に身体の自由の利かなくなっていたラッツォは車中で小便を漏らす。ジョーはバスの停車中に二人の新しい衣服を購入して自分のカウボーイ装束とラッツォの汚れた衣服をゴミ箱にぶち込み、フロリダの明るい服装に着替える。そして・・・・・(ウィッキペディアより抜粋)
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大都会の孤独に流される2人の男性の生きざまを描いた、アメリカンニューシネマの代表作
ひとことで言うと、都会の最底辺でうごめきながら、男同士の友情をはぐくんでいく物語です。
ちなみに題名のカーボーイですが、本来ならばカウボーイとしなけらばいけないところ、あの水野晴郎さんが都会的な雰囲気を出すために(車=カー:都会の象徴)カーボーイとなったようです。
おもしろいですね!
ダスティン・ホフマンと出会う中盤から後半にかけて展開が面白くなってきます。
ニューヨークという都会に来たことで、主人公がかっこいいと思っているカウボーイ姿が奇妙に映り始める、それは彼が尊敬しアメリカ人にとって強さの象徴の、ジョン・ウェインやゲーリー・クーパの神話が崩れ始めるのと同様なこと。
カゥボーイ姿が、かっこいいからダサイへ、偉大な俳優が過去の人になりそれぞれの神話が風化していくことになる。
ジョン・ヴォイド、田舎から出てきて夢破れていくのですが、なぜかそんなに落ち込まない姿。
のほほんとしている、良い空気感出しています。
またダステイン・ホフマンの演技も秀逸。
むさくるしい姿で、足が悪いため足をひきずりながら、最下層の生活からなんとか抜けだそうと大都会ニューヨークの街を歩く姿、鬼気迫る演技を感じます。
あの映画「卒業」のまじめな青年とは打って変わっての役柄。
なんでも、この映画に出ることは、イメージが下がってしまうから止められたとか。
主題歌の「うわさの男」クールファイブの「うわさの女」ではないですよw
この曲も聴いたことある方も多いのでは!
個人的には映像とすごく曲の感じがあっていたと思います。
中学&高校の頃ラジオで映画音楽の番組を聴いていたころ、この曲がよく流れていました。
あぁ~懐かしいw
余談ですが、、この作品当時としては成人映画としてアカデミー賞を初めて取った作品のようです。
後日、成人映画の枠からは外されていますが・・・。
ラッツオは衰弱した体になっていく。
そして彼をささえるジョー、本当に奇妙な友情が芽生えていきます。
ラッツオの夢だったフロリダにバスで移動中、ラッツオがお漏らしをしてしまう。
何の文句も言わず着替えを買って着替えさせるジョー。
またジョー自身もカゥボーイの衣装をゴミ箱に捨て着替える。
二人を乗せたバスは一路フロリダに向かう。
しかし、この映画ラストがとてつもなく無性に切ないのです。
バスの窓に映るマイアミの景色を通して見えるラッツオの顔と、ジョーの顔が脳裏に焼き付けられます。
名場面です(点数アップw)。
観終わったあと空虚なってしまいました。
ネタバレになりますから、ラストはお伝えしません。
まさにアメリカンニューシネマでしょうか。
5点満点中4.0
(こぼれ話)
まだ無名なアルパチーノがちょい役で出ているようです。
今回意識して観ていたのですがわかりませんでした。
バスの乗客のひとりだそうですよ(ベトナムからの帰還兵)。
ダスティ・ホフマンは足の悪い役で演技をするために、靴の中に小石を入れてうまく歩けないようにしていたそうです。
また病人の演技つくりに、リアルさをだすために、本当に風邪をひいて演じたようです。