「亠」 なべぶた けいさんかんむり
この部首は意外と名前が知られています。
なぜなら「亠」の形から名付けられた「なべぶた」
わかりやすく、インパクトがあります。
ただ、「けいさんかんむり」はあんまり知られていません。
「けいさん」とは漢字で「卦算」と書きます。
これは、占いなどに使う竹などの棒を表しています。
その棒の、たてと横の形、「卦算」から名付けられた
ものです。
さて「亠」という字・・・
辞書では、だいたい漢字を構成する形であるといい、
意味はまったくないと掲載されています。
意味がない言うことは漢字としては認められません。
しかし、私は「亠」は漢字だと思っています。
その理由を述べたいと思います。
この「亠」部の漢字には「京」「亨」「享」「亭」があります。
特に「京」のもとの意味はおもしろいです。
「京」は東京や京都のように、「みやこ」の意味です。
しかし、もともと「京」はアーチ形の大きな城門をあらわして
いました。
国の中で、もっとも大きな門を持つ都市は「京」です。
よって、現在のように「京」は「みやこ」の意味になりました。
「亨」「享」はもとは同じ字のようで、
これも高い城門をあらわしていたそうです。
あるいは、南北にある城門二つをあらわし、その門を通り
抜けることから「とおす、とおる」の意味になったようです。
「亭」は「あずまや」の意味があります。
料理店などでは「○○亭」という店名がたくさんあります。
よって「あずまや」は休息所の意味です。
しかし、もっと過去にさかのぼれば、城門近くの「やぐら」
を意味していたようです。または、城門の上から敵の襲来を
見張る「しろやぐら」の意味もあったようです。
この「京」「亨」「享」「亭」に共通する意味は城門。
「亠」はもしかしたら、城門の上部をあらわしていると
思わざるを得ないのです。
「亠」は城門の意味があるような気がしてなりません。
漢字は、形、読み、意味の三つがそろえば漢字として
成り立ちます。
「亠」は「トウ」と読みます。
これは高い建物の「塔」とも共通しています。
音は「トウ」、意味は「城門」となれば
これは立派な漢字ではないでしょうか?
辞書に書いてあるような、ただの漢字を構成している
記号ではないのではと思っています。