よわくなんかない!「弓」ゆみへん | ほくりく 漢字塾

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「弓」 ゆみへん ゆみ


「弓」は武器の「ゆみ」の形からできた漢字。

ですので、「弓」部の漢字には、もともと「ゆみ」に関する

意味の字が集められています。


もっともわかりやすいのは

「引」の字。

これは、ゆみの弦をピンと引いて、張っている形です。

「丨」の部分がそれを表しています。


「弓」部の漢字の中で、完全に「ゆみ」の意味が

なくなってしまったものに、「弱」「強」があります。

今では「弱」は「よわい」、「強」は「つよい」の意味で

「ゆみ」には全く関係のない意味になっています。


特に「弱」は「弓」部の字であることに、驚く人が多いです。

 これは「弱」の2500年前ぐらいの字。


装飾のほどこされた弓が2本ならんだ形で、

「弱」は飾り弓の意味でした。

「弱」という弓は、武器としてではなく、邪気を払うもの、

魔除けの道具として用いられていたのです。

「矢」にも魔除けの道具として考えられていました。

現在の、神社にある破魔矢がそれを受け継いでいます。

 これは「強」の2500年前ぐらいの字


「強」はちょっと複雑です。

「弘」と「虫」があわさった形で、「弘」は弓をギュッとつよく引っ張って

固くなった形から「かたい」の意味があります。

なので、「強」は「殻のかたい虫」、つまりカブトムシやクワガタ

のような虫の意味だったと言われています。

そうすると、「強」は虫部の漢字のように思えます。


ただ、もう一つ説があります。

「厶」と「虫」の合わさった部分、それ自体が「殻のかたい虫」の

ことで、「弓」がついて、大きい強い「ゆみ」の意味だったと

言われています。


「強」は「弱」との関係で、「弓」部の漢字に入っていますから

もしかしたら、「むし」ではなく「ゆみ」の意味だったのかもしれません。